2つ以上のクラスがある学校に通っている人は,クラス替えを経験したことがあるでしょう。
ただ,学校の教員でもない限りクラス分けの作業をしたことのある人はいないと思います。
今回はクラス替えの手順をご紹介します。
自己紹介
高校のクラス替えの仕組み① まず選択科目,習熟度で振り分ける
高校など選択科目がある場合は,まず科目ごとに生徒を分けます。
できるだけ混合クラスは避けます。
なぜか?お金がかかるからです。
例えば,とある学校で物理選択者が40人,化学選択者が30人いたとします。
在籍者数を均等にしてみましょう。
物理選択20人,化学選択15人の35人クラスを2つ作ることになります。
仮にA組とB組としましょう。
そうなると、単独クラスに比べて授業コマ数が2倍になり,人件費もかさみます。
(A組でもB組でも物理と化学の授業があります。)
単独クラスにすれば物理・化学のそれぞれの教員は片方のクラスだけで済みます。
できるだけ混合クラスは減らした方が経営的には効率が良いのです。
また,発展クラス・基礎クラスなど学力・習熟度で集団を分けている学校もあります。
高校のクラス替えの仕組み② できるだけ学力が均等になるよう振り分ける
みなさん振り返ってみると,クラスの中には勉強が得意な生徒,苦手な生徒がいると思います。
ほとんどの学校はクラス間で学力差が出ないようにクラス分けしていきます。
例えば,音楽選択が90人,書道選択が30人いたとします。
おそらく,音楽2クラス(A組,B組としましょう),音楽・書道混合クラス1クラス(C組)となるでしょう。
音楽クラスは成績1番の人をA組,2番の人をB組,3番の人をC組,4番の人を再びC組・・・といった流れでクラス分けをしていきます。
1クラス40名程度なのでC組は約10名埋まった時点で終了となり,残りはA組,B組で振り分けます。
分かりやすいように例では人数のみ示しましたが,共学では本当は男子●●人,女子●●人とします。
体育の授業,体育祭のクラス対抗戦,その他の学校行事等も男女がバランスよく混ざっている方が円滑に進むことが多いです。
できるだけ学力が均等になるよう分けるのは,できるだけ教育内容を平等にするためです。
もちろん,学力の高い順にクラス分けをし,A組に優秀な生徒を集めて学習の質と量を高める方法もあり,そういった学校も噂では聞きます。
ただ,A組に入れない生徒(生徒というより保護者?)は不公平に感じてしまいます。
自分の学力に見合った「個性を伸ばす教育を」という声がある一方,「不平等は学習の機会を失うことになる」という声もあります。
塾や予備校ではなく学校がそこまで振り切ったことをするには,私立学校でも覚悟が必要かもしれません。
(公立学校ではまずできないでしょう)
※特進コース,選抜コース,総合コース等を設置している学校は多いですが,各コースの中では均等にしていると思います。
高校のクラス替えの仕組み③ 微調整をする
大枠はここまでで決まりますが,微調整が必要な場合があります。
学力差の調整
選択科目があると,1つの集団で生徒を割り振れないので学力が高すぎたり,低すぎたりすることがあります。
その場合はほかのクラスの同一科目選択者と入れ替えをします。
学校生活に悪影響を及ぼすような人間関係の調整
学校生活に支障をきたすほど人間関係がこじれる場合,クラスを分けることがあります。
ただ,これを言うと好き嫌いでクレームを言う生徒(保護者?)が出てきてしまいそうで心配です。
あくまで,当該生徒が学校に通えなくなったり,他の生徒が迷惑に感じたりするような事態になりそうなときです。
(ちなみに,中学校は概ね同じ地域の小学校から進学する人が多いので,中学校の先生は小学校の先生から,情報収集することもあるらしい…という噂も聞きます)
ちなみに,カップルもこちらで把握していればクラスを分けるかもしれません(笑)。
別れた,喧嘩したなどで他の生徒に余計な気を遣わせたり,学校行事の決め事が進まなかったりすると迷惑な話なので…。
高校のクラス替えの仕組みは伝わりましたか?
いかがでしたでしょうか。
ここで示したのは一例ですが,雰囲気はおわかりいただけたかと思います。
検索してみると小学校,中学校ではピアノを弾ける人などほかにも気にすることがあるようですね。
最近は微調整の部分以外は学校のシステムで出力する場合もあります。
人と人の関係性までは,コンピュータで調整はできません。
人間を相手にする仕事だからこそ,最後は人の手が必要なのかなと思います。
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