最近コーチングついて学んでいる学校の先生が増えてきました。
昔の教育とは変わりつつある今だからこそ、手法の一つとして知って損はないと思います。
今回はコーチングに注目したいと思います。
自己紹介
目指していく教育の姿
最近の学校教育で「主体性」や「ファシリテーター」といった言葉が出てきます。
まだ、こういった言葉を耳にしたことのない方もいらっしゃるかもしれません。
こういった言葉について、情報の共有や目線合わせをしていければと思います。
すでにご存じの方は、下の方にある具体的な方策にお進みください。
主体性を育む教育
日本は「○○しなさい」といった強制力のある教育が多いです。
その結果、指示がないと動けない人が増えたと言われるようになりました。
コンピューターがない時代は人がすべてを動かし、会社において上司の命令通りに速く正確に動く人が必要でした。
しかし、時代はAIです。
AIの発達により指示や過去のデータがあれば、人より機械の方が速く正確に作業を行えます。
人にしかできないこと、それは指示や過去のデータベースがない仕事について、自分で考えて動けることです。
自分で考えられる人を増やすためにも、主体性のある人を育てていこうという流れです。
学校の教員はファシリテーター
教室での一斉指導について疑問を感じる意見もあります。
ICTの普及により、動画コンテンツで一斉指導はできるからです。
そうなると次に教員がやることは、生徒一人一人の事情に合わせて調整をするファシリテーターとしての役割です。
一人ひとりの成長に合わせた調整をするために、コーチングについて勉強し始める先生も増えています。
コーチングと今の教育
ここでコーチングとは何か確認しておきましょう。
コーチングでは「答えを与える」のではなく「答えを創り出す」サポートを行います。 この考え方は「答えはその人の中にある」というコーチングの原則に基づいています。
日本コーチ連盟 コーチング技術=答えを創り出す=
スポーツの世界で主に使われる手法のようです。
一方、今までの教育はティーチングと言えます。
ティーチングは、親・先生・管理職などの立場にある者が、子・生徒・部下などを豊かな知識や経験に基づき、目標達成へと導くための指導方法です。そのため、指示・命令型の答えを与えるコミュニケーションに陥る傾向があるようです。
日本コーチ連盟 コーチング技術=答えを創り出す=
ティーチングだけでは学習者の主体性は育みづらいです。
また、教員のファシリテーターとしての役割を考えると、コーチングという手法も大切になります。
コーチングで、勉強や受験の準備のモチベーションのケアを
コーチングはすべてを解決できるわけではない
いきなりですが、コーチングがすべてだとは思いません。
何か新しい手法を取り入れると、まるで今までの問題をすべて解決できるように感じることがあります。
しかし、全てのの問題を解決する完璧な方法は今まで見たことがありません。
コーチングで学習者はなりたい自分に必ずなれる、はずがありません。
あくまで一つの方法として参考になればと思います。
今回の記事はこちらの本を参考に作成しました。
初学者は知識・技術の指導が必要
「コーチングは大切だよ」と聞きますが、自分の中で疑問に思っていたことがありました。
「ほとんど知識や技術がない人から、答えを引き出そうとしても無理があるのでは?」と。
私自身の経験を振り返ってみます。
子供のころ野球やサッカーをやったことはあります。
しかし、いきなり「上手くなるために何をしたい?」と尋ねられても、方法を知りません。
この本にはその点の考えが書いてありました。
まず第一ステージ。プロ野球でいえば、高卒ルーキーがここに当たる。大学、社会人出身でも、基本的なことがわかっていない選手、自分のやり方が確立できていない選手がいれば、このステージに当てはまる。このステージに該当する選手は、技術の基本を細かく教えていく。
最高のコーチは、教えない。
なるほど、やっぱりそうだよなーと思いました。
だから、勉強でも基礎ができていない人には、教員側が教えることが多いと言えます。
また学習者側はオリジナリティの前に、基礎的な知識、技術を習得することが大切です。
基礎の勉強ができるようになったらコーチングにシフトしていく
では、基礎ができるようになったらどうなるでしょうか。
第二ステージの選手は、技術的にもまだ未熟なので、指導行動も行う。ただ、第一ステージに比べて、より高い壁を乗り越えるために課題の難易度が上がっている。だから、モチベーションの維持が思いのほか難しい。そこで、人間力を高める育成行動の言葉がけが多くなってくる。
最高のコーチは、教えない。
少しずつティーチングからコーチングに移行しているのが分かります。
舞台を受験の英語で考えてみます。
このステージは、教科書レベルの読書量、教科書レベルの単語・文法・語法の知識が一通り身についている学習者になります。
しかし、こういった知識があるだけでは、難関大学には合格できません。
ここから各自の課題を分析して、志望校合格の目標のために勉強の方法を調整するのです。
選手や学習者は少しできるようになると「自分はできるようになった!」という感触を得ます。
確かに成長はしています。
しかし、監督や教員側は目的や客観的な実力を見がちです。
そうなると、「勝つためにはまだまだ技術が足りない」と思ってしまいます。
だから、技術指導とモチベーションの両輪が必要になるのです。
このようにこの本では選手の成長段階を4つのステージに分けています。
残りのステージは、ぜひ本書で。
本当の意味で「受験を団体戦」にする方法
進学校の中には「受験は団体戦」と言っている学校があります。
しかし、本当の意味で団体戦で戦っている学校は少ないのではないでしょうか?
本書では個人の失敗でもチームで振り返る手法が紹介されています。
ソフトバンク時代に、四人の若手を集めて「チームB」を結成した。いずれも主力クラスではないが、それなりの力は持っている投手たちだ。誰かが登板し、何らかの失敗をしたときや逆に大活躍したとき、四人が集まってその原因を共有し、その後の自分の投球に活かしていくのが狙いだった。
最高のコーチは、教えない。
受験が団体戦なら、同じくらいの成績の生徒たちで模試の結果を共有して、お互いによかった点、改善点を振り返ることをやってもいいはず。
もちろん、生徒同士で成績を見せ合うことを学校側が主導して良いものかという問題はあります。
しかし、全員ではなくても、そういった手法は私にとって新しかったですし、知って損はないでしょう。
叱る指導はいらないのか?
コーチングは選手や学習者から答えを一緒に見つけ引き出して、前向きに練習や勉強に取り組むことを目指しています。
そうなると、叱る指導はいらないと思うかもしれません。
しかし、叱る指導も必要な場合があります。
𠮟るべきタイミングとは、「手を抜いたとき」だけ
最高のコーチは、教えない。
たしかに、失敗や思い悩むことは誰にだってある。
失敗は向き合い方次第で、次の成長につなげられます。
選手や学習者が思い悩むのは、成長をしたいと思っているからこそです。
しかし、手を抜くというのは成長につながりません。
このまま競技や勉強を続けるか真剣に向き合ってもらうためにも、手を抜いた時は叱った方がいいかもしれませんね。
まとめ
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
ここでは全てをご紹介できませんでした。
場面ごとに具体的な手法が載っており、自分が実践していた教育の良し悪しを振り返ることができました。
また、自分にとって新しい手法も得られました。
気になった方はぜひお読みください。
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