高校受験の時に公立・私立の学費を比べることはありますが,私立間の学費を比べることはあまりないのでしょうか。
我が子が受けたいと言えば,それを応援する形で話を進めるのが一般的かと思います。
その反面,親としてはお金がどれくらいかかるか気になるものです。
今回は修学旅行の費用とその内訳について書いてみたいと思います。
自己紹介
修学旅行の費用
他のサイトからの引用になりますが,高校の修学旅行の費用の平均は国公立で87,654円,私立で113,142円だそうです。
さらに,行き先が海外の場合は200,705円とのことです。
個人旅行と比べると,「もっと安いツアーがあるのに・・・」と感じるかもしれません。
次の項目では考えられる内訳について考えてみます。
教員から見た修学旅行の費用の内訳
あくまで旅行社の営業ではなく教員の目線ですが,こういうところにお金がかかっているなと感じるところを書いてみます。
新幹線,飛行機などの交通費
JRや飛行機は修学旅行向けの運賃制度があります。
それでも例えば東京と沖縄の往復で5万円前後はかかります。
ANAのサイトを見ると4月,5月は修学旅行を実施する学校が少ないためか料金設定が安めでした。
宿泊費
宿泊費は個人旅行なら「夜も外で観光するので部屋が多少狭くても我慢しよう」であったり,「朝食は外で食べればいいから,朝食抜きプランにしよう」と調整することができます。
団体旅行はそうは行きません。
夜や早朝に勝手に外を歩かれて事故にあったら責任問題になりますし,一般の人に迷惑をかけても対応するのが学校側になります。
そうなると,朝食会場としてある程度の広さの宴会場がある宿泊施設を利用することになります。
すると,宿泊費も高めのホテルになってしまいます。
その土地の相場にもよりますが,1泊あたり15,000円前後になることが多いのではないでしょうか。
海外の場合は1泊20,000円越えも珍しくないです。
修学旅行の費用を抑えづらい原因の一つとなっています。
食事代
ホテルの朝食でも触れましたが,基本的に修学旅行では朝・昼・晩の3食がつきます。
個人旅行では昼と夜がつかないことが多いのではないでしょうか。
費用を抑えるなら朝食抜きプランもあります。
この辺りが組み込まれているか否かも個人旅行との差になります。
バス・バスガイド
修学旅行は基本,バス移動になります。
自由行動の時間を除いて,電車を使って○○まで一緒に移動するということはありません。
もし,集団で在来線を使えばたちまちクレームを入れられてしまいます。
また,個人旅行ではスーツケースを空港からホテルにガラガラ転がして行くということができますが,何十人という人が列を作ってそんなことをしたら迷惑になってしまいます。
荷物を運ぶという点でもバス移動が理にかなっているのです。
また,旅行社の添乗員もクラスに1人をつける予算がないので,クラス単位でバスを降りた後に移動する際は,現地のバスガイドさんが先導します。
バスガイドというとバスの車内で車窓から見える風景やその土地にまつわる案内をしてくれます。
しかし、修学旅行ではバスを降りた後の道案内も(というかむしろこちらの方が)大事な役割となっています。
現地の入場料
全員で入る入場料も費用に組み込まれています。
ちなみに,自由行動の日を増やせば修学旅行で事前に徴収する金額は抑えられます。
見かけ上は安くすることができますが,交通費,食費,入場料等を個人負担になってしまいます。
生徒はいわゆる有名な観光地での自由行動が長い方が楽しいと思うので,バランスを考えながら行程を考えています。
写真屋さんの派遣費
学校として別に予算組をしているところもあるかもしれませんが,写真屋さんの旅費と派遣費もかかってきます。
「今時,スナップ写真なんて買わないから・・・」と思うかもしれません。
実は写真屋さんに来てもらうはスナップ写真や集合写真のためだけではありません。
卒業アルバムの素材集めでもあります。
もしかしたら遠くない未来に卒業アルバムというものを作らない学校が増えてくるかもしれません。
今のところ,卒業文集は制作しなくても,卒業アルバムは作る学校が多いと思われます。
看護師の派遣費
100人,200人を連れて旅行をしていて,体調不良者がゼロということは経験したことがありません。
海に行って砂浜で足を切った,頭痛がする,熱が出た,女の子で生理がきた,アレルギー食材に気づかず食べてしまったなど,いろいろです。
普段は親御さんが目を配れるかもしれませんが,修学旅行では子供も自分のことは全て自分でやることになります。
担任は30〜40人の子供を連れているので,なかなか細かいところまで気づけないこともあります。
こういった健康上のトラブルは起きてしまうものなので,看護師の旅費,派遣費は必要になります。
企画料・添乗費用
旅行社に支払う企画料,添乗費用もあります。
修学旅行は2年前くらいからいわゆるオーダーメイドで準備を初めています。
オーダーメイドゆえどうしても企画料がかかってしまいます。
修学旅行を企画するのに最初に行う準備です!
また出発から解散まで通しで添乗する方の旅費,派遣費用がかかります。
旅行保険
何かあった時のために学校行事は例え日帰りの遠足でも保険をかけます。
海外の場合は,キャッシュレス・メディカルサービスといって指定された病院なら持ち出し金を払わずに保険会社から直接,治療費が支払われるサービスもあります。
できればこのサービスを使えた方がいいですね。
しおり作成費用
しおりを自前で印刷する学校はかからないかもしれません。
しかし、きちんと製本をしたり,旅行社によっては原稿を作成したり,チェックしたりするのに,企画料以外に費用を請求されることもあるかもしれません。
教員の引率費用
もちろん教員の分の旅費も学校負担になります。
これは学校が別に予算を確保している可能性もあるので,必ずしも参加者で割るとは限りません。
まとめ
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
ざっと思いつく限り書いてみました。
細かくみていくと,それくらいかかるのかなと感じていただけましたでしょうか。
それぞれ,「これはいらないでしょう」と思う項目もあるかと思いますが,そこをカスタマイズできないのが団体旅行。
ちょっと高いけれども,行ってよかったと子供自身が思えればいいなと思います。
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