大学受験の英語の勉強スケジュール|高校3年間で難関大を目指す!

3年間の学習計画アイコン 勉強のワンポイント・アドバイス
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併設する中学がない高校は,ほとんどの新入生が公立中学出身となります。

大学受験において,私立中学の卒業生と公立中学の卒業生では学力にかなりの差があります。

公立中学出身者は高校では急ピッチで準備しなければいけません。

3年間で大学受験の一般選抜に挑戦できるまで育てていく学習計画について英語を中心に紹介します。

また,高校生・保護者にとっては学習計画として読んでもらえれば独学で大学受験をする目安になります。

隣の芝
隣の芝

自己紹介

  • 非常勤+専任の私立教員歴は約15年!
  • 担任は10年以上経験! 修学旅行の準備・引率、大学受験の指導経験もあり
  • 教科は英語海外への引率経験もあり
  • 校務分掌教務、進路、広報、生活指導、生徒会を経験!
この記事をおススメしたい方
  • 公立中学からの新入生が多い進学校の英語の先生
  • 大学進学を考えている公立の中学に通っている中学生
  • 公立の中学を卒業した高校生
  1. 大学受験の英語の勉強スケジュール① 高校1年は中学英語の総復習+α
    1. 高校1年生は中学校の英文法をマスターしていない?
      1. 教員は目標を見据えつつ、焦らずに指導することが大切!
    2. 英単語は高1の間に中学英語と共通テストレベルを覚えよう
      1. 勉強のスケジュールは、ゴールを見据えて「割り算」をしよう
    3. 比較的難易度の高い教科書を使いたい
    4. 勉強と部活動との両立はどうする?
      1. 勉強と部活動との両立について、合格した大学生に尋ねたアンケート
      2. 勉強と部活動との両立についてのアンケートをパターンに分けて分析
      3. 勉強と部活動との両立 部活動の加入について新入生にどんなアドバイスをするか
    5. 秋からは週末課題を入れて,英語に触れる量を増やす
    6. 学校で模試をやるなら事前に過去問を授業で解く時間を作りたい
  2. 大学受験の英語の勉強スケジュール② 高校2年は高校英語の基礎固め
    1. 文法・語法の本格的学習は高校2年生から
    2. 英単語、長文読解の週末課題、教科書の多読は継続
  3. 大学受験の英語の勉強スケジュール③ 高校3年は自習をベースに実践力育成
    1. 学校で個別指導は限界がある。生徒は各自で足りない力を身につける。
    2. 生徒は各自で志望校の出題傾向に合わせた演習をする。
  4. 大学受験の英語の勉強スケジュールのまとめ

大学受験の英語の勉強スケジュール① 高校1年は中学英語の総復習+α

高校1年生は中学校の英文法をマスターしていない?

直接的にしろ間接的にしろ,大学受験では英文法は必要になります。

しかし,現状なかなか中学の英文法を網羅できている高校の新入生は少ないです。

一通りの文法を理解している生徒は「塾でやりました」と言っていました。

高校1年生では、中学生のときにマスターしておいてもらいたい英文法を総復習します。

英文法に限らず,英文読解においても,公立中学で真面目に勉強している学習量や勉強への向き合い方では,大学の一般選抜受験に対応できません。

かなりテコ入れが必要です。

ただ,リスニングは10年前,20年前の生徒に比べて力があると感じることがあります。

教員は目標を見据えつつ、焦らずに指導することが大切!

教員側が大学入試に間に合わせようと,焦っていきなり難しい内容を扱うことはやめましょう。

シンプルな基礎的内容ができていないのに,難しい問題を扱っても丸暗記で場当たり的に答えを覚えるだけです。

特に高校1年生は出身中学、通塾の有無など、生徒によって事情はバラバラです。

まずは、いったん中学レベルの英文法を完璧にマスターしてもらうことからスタートしたいです。

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英単語は高1の間に中学英語と共通テストレベルを覚えよう

1学期中に中学レベルの英単語の総復習をします。

2学期からは共通テストレベルの単語帳を使います。

高校1年生が終わるころに共通テストレベルの単語帳を終えられると順調ではないでしょうか。

すべて終わらなくても7割くらい終えておきたいです。

勉強のスケジュールは、ゴールを見据えて「割り算」をしよう

英単語も英文法と同様です。

入学している生徒の学力層を見極めて,簡単な英単語から積み重ねていきたいです。

ただし,2年後に習得している単語の数を見据えて,残された日数,週数,月数で割って計画的に小テスト等を行いたいです。

勉強は足し算ではない。割り算だ。

駿台予備校の英語の授業

一つ一つ覚えていくという点では足し算ですが,マラソンのようにペースを守ることが大切です。

比較的難易度の高い教科書を使いたい

教科書は本文の語数が多いものを使いたいです。

文法,単語は新入生の能力からスタートするとよいですが,教科書選びは遠慮なく多読できるものがいいでしょう。

単語や文法は覚えただけでは使えません。

知識を使う練習が必要なので,しっかり練習できるよう多読教材の一つとして使いたいです。

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勉強と部活動との両立はどうする?

部活動と勉強との両立は高校生の学習習慣を語る際に,昔から話題にあがります。

結論から言うと,両立できるかどうかは個人差があります。

勉強と部活動との両立について、合格した大学生に尋ねたアンケート

ネットや雑誌に書かれている記事には,「合格した現役大学生」にアンケートを実施していることが多いです。

不合格者や浪人生にはアンケートを実施していないのです!

(というか,不合格の人にこんな質問はしづらいですよね・・・)

終わりよければ全てよし!

部活動をやっていて,最終的に進路希望を叶えられたら,部活動との両立は良かったと答えるに決まっています!

勉強と部活動との両立についてのアンケートをパターンに分けて分析

実際には部活をやっていて学習が間に合わない人もいます。

以下の4パターンに分けてみます。

部活動を続けた学習習慣があり,合格できたメリットデメリット
努力が身についた体力的につらいかも
×部活をやりきり満足いく高校生活だった進路希望が叶わなかった
×進路希望が叶った部活をあきらめて,満足した高校生活でなかったかも
×× あえて言えば,自分らしい高校生活を送れた?進路希望が叶わなかった

部活をやっていようと,やっていなかろうと,学習習慣が身につく人は身につきます。

部活に入っていなくても,学校が終わったらスマホゲームしかやらない人もいます。

勉強と部活動との両立 部活動の加入について新入生にどんなアドバイスをするか

では,高校1年生4月の部活動選びの時期に何を言うか。

勉強と両立できる部活に入ったほうがいいよ」と言います。

生徒自身が決めることで,勉強しない言い訳を作らせません。

体力がある人は活動量の多い運動部を希望してもいいのです。

自信のない人は活動日の少ない部活動でもいいのです。

特に中学では部活の活動量も少ないことがあります。

後で「部活が忙しくて勉強ができない」という状況にならないよう,前もってのアドバイスは大切です。

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秋からは週末課題を入れて,英語に触れる量を増やす

新入生は1学期の間は高校生活に慣れることが最重要になります。

2学期に入り高校生としての生活が落ち着いてきたら,英語に触れる量を増やしましょう。

センター試験や共通テストの過去問から長文1題を,週に1回宿題にしてみてはどうでしょうか。

教科書だけでは不足している読む量を補いたいです。

最近の入試問題は長文読解の配点が多く,文法語法問題を出さないこともあるので,とにかく読む量を増やしましょう。

2学期に入ると使っている単語帳も共通テストレベルに差し掛かります。

ちょうど共通テストやセンター試験の問題がレベル的に合っていると言えます。

受験は学校のチーム力も試されます。

勉強への向き合い方など担任の先生の進路指導,教科横断的な指導も大切です。

例えば,

  • 高校1年生の夏にオープンキャンパスに「遊び」に行く宿題を出す。
  • 定期試験の点数も大切です。しかし,全国の大学受験をする高校生の中での位置に目を向けてもらう。⇒生徒が模試の結果にこだわる癖をつけてもらう。
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学校で模試をやるなら事前に過去問を授業で解く時間を作りたい

模試の過去問を解くことへの抵抗感があるかもしれません。

しかし,模試で良い点数を取れれば次のモチベーションアップになります。

入試本番だって過去問演習をして受験に臨むので,模試の過去問を解いても問題ないです。

ただ,著作権の問題があるので営業担当の方と相談をしておいたほうがいいですね。

授業時間数が足りない場合は宿題とするのもやむなしですが,「やっておけよ指導」ではまずやりません。

80分が制限時間の模試なら授業2コマ分を使ってきちんと演習させたいです。

その際に,素点と偏差値の相関表があると生徒も自分の位置が分かりやすく好評です。

共通テスト同日模試は高校1年生も受験してもらいたい

まだ受験まで2年ありますが,共通テストの同日模試は受験を勧めたいです。

普段の授業で扱う教材,学校で実施する模試は全て各学年の学力に沿っています。

学年ごとに難易度が調整された教材で勉強することはもちろん大事です。

一方,最終目標に近い教材にも挑戦してもらいたいです。

もちろん高得点をとれているかを気にする必要はありません。

高校1年で半分でも取れていれば褒めてあげましょう。

教科は英数国,自身がなければ英語+数学or国語でもいいでしょう。

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大学受験の英語の勉強スケジュール② 高校2年は高校英語の基礎固め

文法・語法の本格的学習は高校2年生から

いわゆるNext Stageのような文法・語法問題集をいつから始めますか?

他教科とのバランスを考えると,高校2年の間に文法・語法・イディオムは1周しておきたいです。

学習の順番はイディオムから始めます

覚えれば覚えた分だけ実力につながるからです。

文法は多少理論的になると理解が追い付かない生徒もいるかもしれません。

ただ,単語やイディオムは覚えたら覚えた分だけ,英語を読めるようになります。

語法は最後です。

語法は単語ごとのルールのこと。

単語ごとにルールを覚えるのは特に苦手な人にとって避けたくなる恐れがあります。

難しいこと,苦手意識を持ちやすそうなことは後回しです。

高校2年生の秋や3学期の最初に学習をスタートして,高校2年が終わるまでに一通り触れられるといいです。

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高校2年の秋からは他教科とのバランスを配慮したい

英語は文系と理系のどちらも使う教科です。

だから,高校1年生など早いうちに実力を伸ばしておくと有利に受験を進められます。

次に優先度の高い教科は国語と数学です。

両方伸ばすことができれば,原則5教科7科目必要な国公立大学に手が届きやすくなります。

高校2年生の秋までに目が出なければ,私大に切り替えるということができます。

最後に理科と地歴公民です。

例えば建築学科は生物での受験が認められないなど,科目によって受験できない場合があります。

第一志望の大学・学部・学科が高校1年生のときから決まっていることはあまりありません。

高校2年生秋から高校3年生にかけて第一志望を固めつつ,受験科目も絞っていきます。

理科2科目の準備ができるかどうかも,受験計画を決める材料になるでしょう。

ただし,これらは学年や時期ごとにきれいに分かれるわけではありません。

高校1年生でも理科基礎は勉強しますし,高校3年生でも英語の勉強は続けます。

戦略的に重点的に勉強する教科や科目を少しずつシフトしていくことが大切です。

英単語、長文読解の週末課題、教科書の多読は継続

高校1年のときの、英単語、長文読解の週末課題、教科書の多読は高校2年生でも続けます。

英単語、長文読解は共通テストレベルから、私大個別試験レベルに難易度を上げます。

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大学受験の英語の勉強スケジュール③ 高校3年は自習をベースに実践力育成

学校で個別指導は限界がある。生徒は各自で足りない力を身につける。

高校2年生の終わりまでに単語,文法,語法は一通り触れている計画となります。

ただ,人間は1回ですべてをマスターできる人はあまりいません。

それぞれ苦手な部分を各自で補強してもらいます。

また,知識が入ったからといって,読解力や解答力に直結するとは限りません。

読む量,解く量が少ない場合はこれも補強するよう促したいです。

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生徒は各自で志望校の出題傾向に合わせた演習をする。

英語の力を純粋に測る試験はないです。

選択or記述,穴埋めor論述など出題傾向によって難易度や解きやすさは変わります。

生徒によってはマーク模試より記述模試の方が点数がいい人もいます。

定期テストでも,記号問題は他の生徒と比べてイマイチですが,自由英作文は他の生徒より点数が高い場合があります。

模試でA判定が出ていても,出題形式が自分に合っていなければ落ちることもあります。

逆にC判定くらいでも,解きやすいと感じればうかることもあります。

できれば第2志望以下は自分が解きやすい大学を受験するといいかもしれません。

第1志望はせっかくいろいろ調べて決めたため,こだわってほしいです。

第二志望以下も行きたくない大学を受験する必要はありません。

進学後の勉強,研究,通いやすさなど,大学選びをする尺度はいろいろです。

もし絞り切れず迷うようであれば解きやすい問題形式の大学・入試方式で挑戦するのも一つの方法です。

もちろん,第1志望でも複数の入試方式があれば,チャンスを広げてもらいたいです。

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大学受験の英語の勉強スケジュールのまとめ

こんなに計画通りにいくケースは多くはないかもしれません。

計画に若干遅れることがあるかもしれませんが,書いた通り「勉強は割り算」の原則を忘れずに,ペースを崩さないようにしたいです。

そのために担任と連携をしてモチベーションの維持に配慮したいです。

高校の先生にとって,受験指導はかなり時間と労力が割かれるので,管理職や学校全体の理解と配慮も大切ですね。

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