語源で覚える英語の助動詞!覚え方で苦労しない高校英語

クエスチョンマークの男の子 高校生への英語知識・学習法
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英単語は必ずしも意味が1つではなく,2つ以上の意味を使い分けなければいけないことがあります。

英語の助動詞はそういったことが多い単語ですね。

mayは「~してもよい」「~かもしれない」の両方の意味があります。

昔は「なんで全然違う意味なのに,同じ単語を使うんだろう」と思ったものです。

今日は語源からその理由を探ってみたいと思います。

隣の芝
隣の芝

自己紹介

  • 非常勤+専任の私立教員歴は約15年!
  • 担任は10年以上経験! 修学旅行の準備・引率、大学受験の指導経験もあり
  • 教科は英語海外への引率経験もあり
  • 校務分掌教務、進路、広報、生活指導、生徒会を経験!
この記事をおススメしたい方
  • 英語の助動詞の意味が複雑だなと感じている方
  • 英語の助動詞の教え方に迷っている先生方
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語源で覚える英語の助動詞!覚え方で苦労しない高校英語① 助動詞は古い英語では動詞として使われていた

日本語ではにも現代語訳と古語とあるように,英語にも古い英語があります。

今の助動詞は古英語では,動詞として使われていました。

この古い意味から派生して今の複数の意味が生まれたと考えるとだいぶスッキリするのではないでしょうか?

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語源で覚える英語の助動詞!覚え方で苦労しない高校英語② can

canはcuunan(クーナン)という古英語が基になっています。

意味はknowと同じです(Cf. 橋本(2005:139))。

knowはなんで「ノウ」なの?

knowの/k/はなんで発音しないの?と思ったことありませんか?

昔は発音していたんです。

でも,/k と/n/の発音が連続することで,早く言うと言いづらいので/k/がなくなってしまったのです。

「~を知っている」というのは知的能力があると言い換えられるので,「~できる」という意味につながっていきます。

では「~ありうる」という可能性の有無とはどうつながってくるのでしょうか。

「~できる」という能力は,外的要因ではなく潜在性があるということです。

例えば日本人の私が「英語を話すことができます」と言えば,英語で会話をすることもあれば,日本語で会話をすることもあります

能力を持っているからと言って,いつもその能力を発揮するとは限らないのです。

ということで,能力は(外的ではなく)潜在的なもので,潜在性があるということは「ありうる」という可能性の意味につながってくるのです。

現代英語でcanは外的要因による「できる」もあります

ここまでcanは潜在性という説明をしてきました。

そうなってくると,外的要因による「できる」とは言えないのか?と思うかもしれません。

そんなことありません。

You can skate on the lake today. The ice is thick enough.(江川(19913:288))

氷が厚いから,割れずに滑れるというのは,外的要因になります。

スケートの技術のことではありません。

これは「(潜在的に)できる」という意味から「(外的要因で)できる」という意味に派生したということです。

スケートをしている男の人
日本語を話せますか?という聞き方

日本に移住している方に「日本語を話せますか」と聞くとき,よく”Can you speak Japanese?”と聞いてしまいがちです。

日本語を話す能力について質問をしたいなら,この表現になります。

しかし,日常的に日本語を話すかどうかを質問したいなら違います。

Do you speak English?となります。

習慣を表す現在形です。

canを使うと「能力」を色濃く尋ねることになります。

語源で覚える英語の助動詞!覚え方で苦労しない高校英語③ may

mayはmagan(マーガン)という古英語が基になっています。

意味はbe able toと同じです(Cf. 橋本(2005:139))。

能力ならcanと同じじゃん?!と思うかもしれません。

maganは「(肉体的に)~できる」といった意味です。

(現代英語でも「力,腕力」の意味でmightという単語があります)

今回の説明にはかかわらないので話をもとに戻します。

mayは「~してもよい」という意味があります。

例えば「ここで写真を撮ることができます」と言えば,許可をしている意味になります。

ということで「~してもよい」という意味が派生していきました。

そして許可された方は,写真を撮るかもしれないし,撮らないかもしれないので,「~かもしれない」という意味につながっていくのです。

canの「~ありうる」とmayの「~かもしれない」はどう違う?

正直,日常的に厳密に違いを意識はしていないでしょう。

例えば,台所にラベルのない黒い液体がありました。

This black liquid can be soy sauce.

canは潜在性なので,台所にあるんだから「この黒い液体は醤油っていうこともありうるよね」といった意味です。

This black liquid may be soy sauce.

対してmayは主語の潜在性ではありません。

この状況で残る登場人物は話者(書き手)になるので,この英文を言った人の判断で「この黒い液体は醤油かもしれないね」と言ったわけです。

醤油
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えー,自分はそうは感じないんだけどなーと思った方へ

少しでも助動詞を分かりやすくということで話を進めてきました。

ここまでで,「自分はそうは考えないな~」と感じた方もいらっしゃると思います。

昔はインターネットはもちろん,大量印刷の技術もありません。

決まったことを広く広める技術がないので,使いやすいように言語が変わりやすい環境になります。

口頭伝承や手書きは人ベースになります。

歴史を巻き戻したときに必ずしも同じ変遷を辿るかはわかりませんが,歴史として認識することで助動詞が覚えやすくなると自分は思いますね。

語源で覚える英語の助動詞!覚え方で苦労しない高校英語④ must

mustはmōsteやmōtanという古英語が基になっています。

意味はbe allowed toです(Cf. 橋本(2005:139))。

許可をするということは立場が上ということなので,逆に「義務」を課すことができます(Cf. Weblio英会話コラム)。

そして義務は「絶対」なので,「~に違いない」という100%の確信を表すようになりました。

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語源で覚える英語の助動詞!覚え方で苦労しない高校英語のまとめ

いきなり初めて助動詞を勉強する中学生にこの話をしても厳しいところはあるでしょう。

一通り勉強したけど,ちょっと知識が整理できないな~と感じている高校生以上の方の参考になれば嬉しいです。

参考文献

江川泰一郎(19913)『英文法解説』金子書房. 東京.
橋本功(2005)『英語史入門』慶應義塾大学出版.東京.
Weblio英会話コラム 英語の助動詞「must」の基礎イメージと覚え方・使い方 2022年3月31日

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