試験を受けたことはある人が多いと思いますが,試験を作ったことがある人は少ないと思います。
今回は自分なりの英語の模試や入試問題の作問方法を紹介していこうと思います。
自己紹介
以前,定期試験の作り方については紹介しました。
定期試験と模試・入試は作り方が全く異なります。
素材探し
文法・語法問題はオリジナル問題が多い?!
文法・語法などは自分で英文を考えて,問題を作った後にネイティブチェックを受けることが多いと思います。
ただ,中には本など出版物等の1文を引用することもあるでしょう。
長文問題は本などの出版物から引用することが多い?!
長文問題は著作権の確認をしながら本,雑誌,新聞等から引用します。
自分で文章を書くと著作権のことを気にする必要がないのは便利ですが,骨のある文章を一から書くのは手間がかかります。
ネイティブチェックの際にも直しが多くなるでしょう(いくら英語の先生でもネイティブにしてみたら不自然な英語になってしまうことが少なくないです)。
特に大学入試や大学入試用の模試レベルでは引用されると思います。
そのためには、作問担当になる者は日頃から文献を頭にストックしておかなければいけません。
一方,中学生向け,高校2年生くらいまででしたら,難易度の調整が難しいので自作の文章を使うこともあるかもしれません。
出題方法を考える
選択問題は答えが1つになるよう注意する
選択問題の場合,答えが2つ以上にならないように工夫します。
実際のコミュニケーションの場では様々な表現があるかもしれません。
しかし、採点し点数を出す都合上,答えを1つに絞れるようにしておきます。
また,複数正解があると受験生を不必要に混乱させてしまい,余計な時間を使わせてしまう恐れもあります。
当たり前の話と思うかもしれませんが、作問をしていると意図せず正答が2つ生じてしまうこともあります。
答えを1つにする方法はいくつかあって,1つは明らかにほかの選択肢が間違えにする方法です。
他には「最も適切なものを選べ」と指示しする方法です。
ほかの選択肢がダメではないが,受験生が正解以外の選択肢と比較し,1つに絞れるようにする方法です。
記述式問題は部分点のルールをあらかじめ決めておくことが大切
記述問題もどんな情報が書かれていればどれくらい部分点をあげるかルールを決めておきます。
特に採点者が複数いる場合は,さじ加減で差がでないようにルールを徹底しておきます。
最初に求めたい解答(正答)を決めそれが基準になります。
その後,情報の量や正確性がどれだけ正答に足りていないかによって部分点を決めます。
一通り作った後は,他に正答になることはないかなど多面的に検証します。
ネイティブにも関わってもらいます。
想定する受験生の学力を考慮して難易度を調整する
英語長文の場合,使用している単語が難しすぎないか見返します。
難しい場合は,より簡単な単語に入れ替えることもあります。
動詞は簡単な単語に入れ替えられます。
動作や状態はバリエーションに限りがあるので,表現を置き換えて難易度を調整します。
形容詞,副詞も言い換えられることが多いです。
名詞は物の数だけ増えて行くので,言い換えることが難しいことも多いです。
その場合は,関係代名詞,to不定詞,同格,コロン等で説明を加えます。
中学生や高校1,2年生までは生の英語に遠く及ばないことがあるので,単語の入れ替えや説明が煩雑になる場合があります。
そう予想される場合,初めから文書を書いてしまうかもしれません。
また簡単な英語ならネイティブチェックでミスや違和感が指摘されることも少ないでしょう。
受験生向けに難しすぎない英語は?:市販の問題集などです
実際の問題は難しすぎないように調整が入ります。
受験生は市販の単語帳,参考書,問題集等を学習しておくことは理にかなっているでしょう。
作問者が市販の教材を参考にしているかは断言でません。
しかし、難しすぎる文章を題材にしてしまった場合は調整が入っているはずです。
結果的には難易度はいわゆる受験生のレベルをはるかに超えた難易度にはならないと予想できます。
1つの教材で全てを網羅することは難しいですが,自分の学力や目標に合った教材を仕上げていくのには一定の効果があると言えます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
ぜひ受験生の皆さんにとっては難易度の調整があることを初めて知った人もいるかもしれません。
敵を知ることで今日からの勉強の戦略立ての参考にしてもらえればと思います。
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