昨今、教育界では主体性の重要性が取り上げられています。
今回はコーチングで主体性を育む教育についてご紹介します。
自己紹介
主体性を「生み出す」という言葉は見当たらない
最初に伝えておきたいのは、主体性を「生み出す」のは非常に難しいということです。
世間で言われているのは、主体性を「育む」「育てる」「育成する」といった言葉です。
つまり、すでに存在する主体性を増やしていくことを目標にしています。
様々なことに興味関心がある人は、好奇心を持って世の中の物事を見ています。
様々なことに主体性があると言えます。
しかし、興味関心が絞られている人は、特定のことにのみ主体性があることになります。
興味のない部分について主体性を育むのが難しいかもしれません。
なぜ最近は主体性が必要と言われているのか?
コンピューターやAIの発達が主な理由と言えます。
昭和や平成の初期は、会社において言われたことを正確にこなす能力を持った人が好まれました。
しかし、言われたことを実行するだけなら、コンピューターやAIの方が速く正確に行えます。
人は、AIが行えないこと、つまりデータベースにない仕事を創造する、既存の切り口とは違った仕事をすることになります。
そのためには思考力、知識も大切ですが、自ら進んで考え行動する主体性が大切になります。
主体性を育てる方法
今回はこちらの本を読んで、記事を書きました。
引用をしながら勉強していきたいと思います。
コーチの側と受ける側に上下関係を生まない
ティーチングであっても、コーチングであっても、先生や親は答えを提供しなければいけないという気持ちになりがちです。
計画通りの答えに導きたいと思いがちです。
しかし、それではコーチングを受ける側が納得感を得られずに話を終えてしまう恐れもあります。
コーチングの醍醐味は、一緒に何かを探索することであり、発見することです。コーチが問いの発信者であり、質問の担い手なのですが、問いは”上から下に向かって投げるもの”ではなく”2人の間に置いて、一緒に共有すべきもの”。
新コーチングが人を活かす
保護者や教員が答えを教えてあげなければいけないという感覚を一度捨ててコーチングにあたりましょう。
一方で、例えば高校生を相手にしていると、「先生なら答えを教えてくれる」といった希望をもって質問や相談に来ることが多いです。
まずは、一緒に答えを考えていく姿勢を示すことが大切ですね。
答えるのに簡単な質問で始めよう
大きい質問をする前に、まず小さくて必ず答えられる質問からはじめる
新コーチングが人を活かす
コーチングでは、「あなたはこの部活の中でどうしたい?」といった質問をすることになります。
いずれは自分はどうしていきたいのか、といった壮大なテーマに向き合わなければいけません。
しかし、何の準備もなく壮大な質問をされても、受ける側はそこまで頭が回らないことが多いです。
そして、壮大な質問をたくさん投げかけられると「このコーチ面倒くさいな」と思われかねません。
まずは、「昨日は何食べた?」「髪切った?」といった小さい問いかけから始めましょう。
受ける側が嫌なことを答えてもらおう
コーチングの醍醐味は相手の”want”を一緒に探索することです。
”have to”でがんじがらめだった人が、コーチの「やってみたいことは何でしょうか?」の質問をきっかけに、自分の”want”に目を向ける。
…[中略]…
ですが、実は”want”を発見する旅は、そんなに安易な道のりではありません。
…[中略]…
そんなときに、問いかけたいのが「何をしたくないのか」「いやなことは何か」「欲しくないものは何か」つまり”not want”です。
人は、いやなことには敏感です。ですから、思い切りわがままになって、何が嫌いなのかを話してもらう。
新コーチングが人を活かす
この手法は私も進路指導で使います。
「将来やりたいことは?」と聞いても明確に答えられる高校生は少ないです。
だから、消去法で将来のことを考えていくのです。
バランスの良い人、特定の分野に秀でている人、それぞれ活躍の場はあります。
興味関心の範囲の中で力を伸ばすという考え方もありでしょう。
受けた側の回答に対するコーチの反応にも気を付けよう
声のトーンや大きさ、タイミング、顔の表情を意識してあいづちを磨く
新コーチングが人を活かす
教員の研修でも、あいづちについて取り上げられますね。
例えば、Aさんは自己紹介をします、Bさんは無反応で聞いてください。
こういったシチュエーションを作ると、Aさんは話しづらくなります。
受ける側をフォローし、サポートし続けよう
私自身がコーチングを受ける立場になると実感します。
相手を一瞬盛り上げて終わるのではなく、相手が確実に行動を起こすまで。
まず、相手がとるべき行動を決定したら、数日後にその行動をとってどうなったか教えてほしいと伝えておきます。
次に実際何日かしたら、相手とコンタクトをとり、進捗状況を確かめます。もし行動が起きなかったのであれば、なにが妨げとなったのかをはっきりさせます。
新コーチングが人を活かす
上司と面談をしてその時は気持ちが盛り上がりますが、また冷めてしまうということはあります。
継続的な対話をしなければ、継続的な努力は難しいなと感じました。
特に何十人も相手にしていると、時間をあけて声がけするところまで行き届かないかもしれません。
スケジュールに書き込んだり、グループの規模を縮小させて、時間をあけつつコミュニケーションをとれる体制が大切ですね。
コーチングは時間的に余裕を持とう
教員や上司は答えを提示しがちであることは、先ほど述べました。
特に時間がない時ほど、答えを教えて解決させたいと思いがちです。
探索と発見のために多少時間的余裕があるのであれば、答えは与えずに相手を”旅”に出した方がいい。
新コーチングが人を活かす
教師や上司は、コーチングを受ける側の経験をすでにしていることが多いので最短距離で問題解決をしがちです。
しかし、答えを与えるだけでは、受けた側は考えない人になりがちですし、主体性は育ちません。
待つ育成も大切ですね。
コーチ自身がプチ憧れの存在になろう
基本的にコーチングは1対1のコミュニケーションで行うもののようです。
コーチングは、基本的に1対1で行うものです。
…[中略]…
“チームや組織での対話を活性化させたい”というニーズに応えるもの、それを本書の中に盛り込んでみたいと思いました。
新コーチングが人を活かす
これは、授業や部活動といった集団を相手にしても使える手法になりそうですね。
いくつか引用して紹介したいと思います。
日々、小さな目標を達成することで目標達成においてのモデルとなることを自分に課す
新コーチングが人を活かす
コーチングを受ける側は、どんな人のコーチを受けてみたいかという話題です。
コツコツと努力をしている人にコーチをしてもらいたいものです。
とは言え壮大な努力や目標を掲げても、コーチも人間なので途中で折れてしまいます。
プチ目標を掲げて取り組むのがよいでしょう。
目標をプチにすれば、コーチングを受ける側も「自分にもできそう」と良い影響を与えるかもしれませんね。
異なる意見も大切に扱おう
チームを相手にすれば、メンバー同士、メンバーとコーチで意見が合わないことも出てきます。
異論反論を許し合ってこそ、本当の意味での信頼が醸成される
新コーチングが人を活かす
考え抜いた異論反論であれば、逃げずに向き合うのが良いですね。
どうしても指導者は焦りから、異論反論に向き合えないことがあります。
時間がない、その意見でチームがバラバラになるのでは、勝てないのでは・・・
そういった不安があるからです。
しかし、コーチングは個々の状況にカスタマイズされた育成方法。
受け入れ、時にはお互いに許して、進めていくことで、チームが前向きに課題に取り組めるでしょう。
まとめ
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
すべての内容はご紹介できていません。
もしご興味がありましたら、お手に取ってみてはいかがでしょうか。
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