先日,教員免許更新制を廃止にするニュースが流れました。
いろいろな不都合が掲載されていますが,少し現場からズレているなと感じるところがあるので,書いてみたいと思います。
夏休み期間を利用して受けに行かなければならない
夏休みを利用して受けに行くことは問題ない思います。
むしろ,夏休みは教員が研修を受けられる絶好の機会です。
冬休みは長くはないので,家庭や親戚と時間を過ごすことが多くなります。
研修を入れられる時間は限られます。
春休みは新年度の準備で研修どころではありません。
春休みの過ごし方についてはこちらをご覧ください。
教員免許を取得したが,長期間教職から離れていた人が復職しづらい
出産,育休,介護等で教職を辞めなければいけない人も中にはいると思います。
そういった人たちが免許を失効させてしまい,復職できないということになってしまうとのことです。
これについては,賛否を決めづらいです。
確かに,免許が失効してしまったので,もう一度働き始めるときに,教職ではなくて,派遣会社に登録したり,パートの仕事に就く人も出てくると思います。
一方で,長期間教職から離れていたからこそ,教育の質を確保するために講習を受けた方がよいとも考えます。
現場の教員が免許更新をし忘れて失効してしまった
こういった教員に配慮する必要はないと思います。
事務手続きができない人が教員として戦力にはなれません。
確かに失効しやすい制度ではあるなとは感じます。
まず,期限が近くなっても,ハガキ等でお知らせは来ません。
運転免許の場合はお知らせが来ますね。
そういったお知らせはありません。
受講・修了は期限を迎える約2年前からできます。
正確な情報は文部科学省のページでご確認ください。
無事に受講・修了しましたら,今度は各都道府県の教育委員会で申請し,更新手続きが完了します。
受講・修了しただけでは不十分で,教育委員会への申請を忘れてしまう人がいるようです。
ただ,そんなに難しい制度ではありません。
失効は本人の不注意としか言えないと思います。

教員免許更新制と教員不足の問題は別にある
教員免許更新に賛成というわけでもないですが,廃止にしたからといって教員志願者が増えるとは言えないでしょう。
別の切り口で考えてみます。
教員の仕事の分業化を法的に決める
教員がブラックといわれる原因は複数の業務を兼任しなければならないからです。
法律で兼務に制限をかけて,違反した場合は校長を罰するくらいのことをしてもよいでしょう。
だから,法律で担任業務をする人には校務分掌を担当しない,部活動を業務と見なすなど明文化すればホワイトになっていきます。
ただ,現在は教員に残業代を払わなくてもよいと法律で決まっているので,財務省にしてみれば支出だけ増えることになります。この案は通らないでしょう。
ちなみに海外の学校は教室が教科,科目ごとに分かれています。
日本でいう理科実験室,家庭科室,音楽室のようなものがすべての教科,科目に割り当てられています。
もちろん教室の横には教員の部屋があり,教員数人に対し職員が1人就いていることがあり,教員は教育活動に専念できる環境になっていると聞きます。
教員免許更新に必要な時間数を減らす
現在は30時間以上の講習が義務付けられていますが,時間数を減らせば負担も減らせると思います。
これは割とすぐにできるでしょう。
経済界の人も講師にする
教員免許更新の際の講義は大学の先生が担当します。
もちろん改めて法律や制度を理解することも大切です。
いま求められている教育を知るためにも,教育界以外の方の話も聴いてみたいものです。
ただ,実施する大学としても講師の確保に苦労するので,あまり実現しそうにありません。
まとめ
ということで,国は教員不足を何とかしたいと思っているようですが,教員免許更新制の廃止では解決しないだろうなと感じています。
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