高校生くらいになると文化祭で出店をやって食品の販売をしたいと思うかもしれません。
食品販売には調理以外にいろいろなハードルがあるので,どんなことを気にするかまとめてみました。

自己紹介
おおまかに食品販売はどんな準備が必要?
準備期間
普通は3ヶ月くらいかかるでしょう。
準備期間に毎日,放課後に準備ができるとしても,最短でも1ヶ月程度は時間がかかります。
それでも準備のときにクラス全員の人手が必要というわけではありません。
だから,高校3年生で受験などがある人でも参加できたりします。
次にやることを整理しましたので逆算してみてください。
準備や当日やること
事前準備としてメニューの考案,校内の申請,保健所の申請,食品・機材の調達などがあります。
メニューについては後で書きますが,意外に自由は少ないです。

メニューを考えるときに
- 衛生面でリスクの少ない食べ物・調理行程
- お客さんを待たせない回転率の高い調理行程(お客さんを待たせると,赤字になりやすいです)
- コンロ・電子レンジなどの学校の備品・設備
- 予算,販売価格
などを考えなければいけませんね。
ほとんどの学校は調理室がありますが,数百人単位の調理ができる環境でしょうか。
調理実習でまかなうのはせいぜい1クラスの40人程度です。
電子レンジの台数,耐えうる電力量,コンロの数,大鍋の数,調理スペースなど,いつもの調理実習とは規模が違います。
また,学校の備品は授業のためにそろえているので,紛失が起こると教育活動に支障が出ます。
そういった理由で,備品を貸してくれないかもしれません。
いずれにしても,設備などは「ないのが当たり前」,「使えたらラッキー」くらいに考えておきましょう。
当日は調理,販売,会計(お金の管理),食材調達などです。
食材調達は前日または当日にやります。
常温で保管できるものなら多少融通が利きますが,そうでないと傷んでしまいます。
学校の冷蔵庫も大量生産をするための容量はありません。
文化祭が2日間あったとして,2日間分の食料を調理室の冷蔵庫に全団体分入れておくのは難しいかもしれません。
オススメのメニュー
かき氷
晴れて暑いと売れます。
シロップは常温保存ができるので扱いに楽です。
食中毒の心配はあまりありません。
万が一売れ残りができても,氷を外においておけば廃棄に困りません。
大きい氷を買うことになるので,学校によっては冷凍庫もレンタルになるかもしれません。

ポップコーン
一度作ればたくさんのお客さんに提供できます。
フレーバーで味変しやすいです。
ただ,教室内で作ったら,しばらくその教室はフレーバーのにおいがこびりついてしまいます。
油を扱ったり,定期的な機械の清掃があったり,ちょっと面倒かもしれません。


たこ焼き
冷凍のものを調達。
電子レンジで解凍し,店頭では鉄板の上で焼いて,焦げ目,香ばしさ,カリッとした食感をプラス。
お好み焼きと違って小さいので火を通しやすいです。

失敗のあったメニュー
じゃがバター
じゃがいもになかなか火が通りません。
クラスの中には適当に仕事をする生徒もいるでしょうが,火が通っていないものを提供したら大変です。
米飯
大量の水,業務用の大きな炊飯器などがないと作れません。
また,調理に時間がかかります。
炊飯器より時間がかかると覚悟しましょう。
お好み焼き・たこ焼き
冷凍のものではなく,生地から焼くと時間がかかります。
タピオカ
粉から作るととても時間がかかります。
また,衛生上または学校内の運営上,前日に作り置きが難しいかもしれません。
乾燥タピオカは茹でるだけですが,30分~1時間くらいは煮込むことになります。
1人のお客さんに1分で提供するなら,ドリンク30杯~60杯分以上を1度に煮込むことになります。
それだけの鍋の大きさ(数),コンロなどを確保するのは難しいかもしれません。
ほかにも湯煎タイプなどいろいろですが,回転率がネックになりそうです。

おススメのメニューに共通すること
短時間で調理できるもの
メニューを考える時はとにかく短時間でたくさん作れるものです。
1つ作るのに3分以上もかかっていてはあっという間に行列ができてしまい,お客さんが離れていってしまいます。
注文,商品の受け渡し,お会計まで全部で3分以内に終えたいですね。
だから,調理行程がシンプルなものにしましょう。
食中毒の可能性がほぼないもの
またメニュー,調理方法は学校だけでなく保健所とも連携をしながら進めます。
食中毒が発生する可能性が高いメニュー,食材,調理行程の場合,指導が入ります。
意外と自由はきかないかもしれません。
ちなみに食中毒が絶対でない保証はありません。
参加する生徒は責任をもって手順通りに調理をしましょう。
また,お金を触った手で食材に触れないことも忙しくなると忘れがちです。
コロナ禍の食品販売は2つの意味で難しいかもしれません。
1つは食品に携わる高校生がきちんと感染症対策をするか不安があるから。
企画の中心となって真面目にやる生徒だけがクラスにいるとは限りません。
暑くなったからマスクをずらしたり,手袋を外したりしだす生徒も一定数います。
2つめはお客さんが食べるときに感染症対策をしてくれないかもしれないから。
文化祭の出店は大体,しゃべりながら食べ歩きをして目についたゴミ箱に使い捨て容器を捨てます。
中には校内の廊下に容器を放置するお客さんもいます。
そんな中で感染症対策を徹底させることは非常に難しいです。
その他,準備に必要なもの
食品,機材の準備
食品・機材の調達はいろいろな会社がイベント用に食品を販売したり,機材のレンタルをしたりしているので困ることはないでしょう。
食品を入れる使い捨て容器,箸・スプーンなどの準備も忘れずに。
中には対応の悪い業者もあるので,特に高校生向けに優しい業者か確認した方がいいと思います。
学校で可能な電力消費量の確認
電気ホットプレートなど電気で熱を加える場合は電力をたくさん消費します。
学校のブレーカーがとぶこともあるので,使用の可否を確認しましょう。
販売価格の決定,お釣りの準備
販売価格を決める際も,食材・機材の支出と,仕入れた食材量の7割くらいを売れば損がでないようにしておくなど計算が必要です。
お釣りの準備も必要です。
ゆうちょ銀行が小銭を扱うのに手数料をとるようになりましたので,最初のお釣りの準備や,売上金を一時的に口座に預けたりお札に変えたりするのに不便になりましたね。
コインカウンターがあると便利ですね。
まとめ
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
いろいろ書いてみましたが,調理以外の仕事がたくさんありますね。
参考になれば嬉しいです。
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