学校によっては修学旅行の下見をしている学校もあると思います。
ただ,「学校のお金で遊びに行っているんじゃないの~?」と思う人もいるかもしれませんね(笑)
実際にどんなことをしているか紹介してみようと思います。
よく先輩の教員からは,
修学旅行の下見は,トイレの便器の数を数えることだ!
と言われました。
ある意味,正しいなと思います。
(ある意味と言ったら失礼かもしれませんが・・・)
自己紹介
修学旅行の下見でやること
大人数で移動したときに,滞りなく行程を終えられるか
これがメインポイントです。
今の時代,いろいろなアクティビティがあってどれも有意義なものです。
あとはそれを自分の学校で実現できるかどうか,どう実現していくかを考えるのが下見です。
特にプライベートの旅行では考えないような視点,「大員数での移動」が下見の大切なポイントです。
先ほどのトイレの数でいうと,便器の数が少ないと休憩時間を長めに設定しなければいけない。
あるいは,ここでは少人数に絞ったトイレ休憩で別の広い場所でまとまった休憩時間を確保するなど,考える必要があります。
他にも,集合場所(駅,空港,ホテル,見学場所など),ホテルのブッフェ会場(朝食),ホテルのエレベーターの台数などを気にします。
数十人,数百人という単位での行動になりますので,個人旅行とは違った目線で確認をしてきます。
駅では改札を抜けるまでに待機しておく広いスペースを確認します。
空港でもチェックインの前に待機しておくスペースを探します。
大きな駅,空港なら建物の隅にそういったスペースがあります。
例えば,羽田空港第1ターミナルなら地下1階の端のほうです。
駅構内や空港の手荷物検査後は数百人が集まれるスペースがありません。
全体の連絡事項はそこで済ませます。
ホテルの朝食は会場の広さ,エレベーターの台数によって,時間差をつけることもあります。
そうなるとホテルの出発時刻,その日の行程もずらしていくことになります。
貸し切りバスを利用する場合は,駐車スペースが限られている場合,出発時刻をずらします。
人数が多い場合は他のお客さんの動きも考慮して,人の移動が円滑にできるようエレベータをホテル側に操作してもらうこともあります。
最近はコロナ禍ですので,よりスペースには気を配って行程を考えるでしょう。
人数が多いと何かと大変です。
でも、メリットもあります。
安全,生徒の健康,一般の方とのトラブルを事前に予測して対応する
ホテルでは有料アメニティの撤去,部屋の電話を利用できないようにするなどもお願いします。
調子に乗ると,生徒同士でイタズラして一般の人に間違えてかけてしまったり,夜更かしして次の日の行動に支障が出たりします。
旅行会社には行程案を作る前に,できるだけ他校の修学旅行生と同じホテルにならないようお願いします。
また,ホテル側にはできるだけ一般の方と同じ階にならないようにお願いします。
(トラブルは避けたいので・・・)
他にも食物アレルギーの対応(ホテル,国際線機内食)を確認したり,海外では地域の雰囲気も確認し自由行動できる地域かどうか確認したりします。
きちんと準備をしておかないと,一般の方に迷惑をかけて苦情につなってしまうこともあります。
また,中には「金額と内容が伴っていない」と保護者からお𠮟りをいただくことも・・・。
旅行会社のアドバイスもありますが,最終的には判断は学校側になるので,きちんと確認をして,当日を迎えるのが良いですね。
下見のための準備 Googleマイマップを共有しよう!
Googleのマイマップ機能を使えば,下見で立ち寄るところをイメージしやすいです。
初めて行く土地など距離感がわかりづらいこともあります。
誰か一人がマイマップで見学地を登録しておけば,指定するGoogleアカウントにピンを共有することもできます。
下見の持ち物
カメラ・スマホ
下見は全員でいくわけではないので,どんな様子だったのか同じ学年の先生に説明する必要があります。
また生徒,保護者に修学旅行説明会などを実施する場合は,言葉での説明に加えて写真や動画があった方が伝わりやすくなります。
写真はできればスマホで撮影した方が良いと思います。
例えば体験活動をした場合,活動ごとに時間が記録されます。
意外に何にどれくらい時間がかかるかはメモし忘れてしまうことがあります。
また,スマホで写真にGPSを記録するモードにしておけば,地図上でどこからどこに移動するのにどれくらい時間がかかったか分かります。
Google Driveなどを学校で使っていれば,スマホからすぐに写真等を共有できます。
モバイルPC
下見は学校のお金で行きます。
なので,きちんと仕事をしてきましたと報告書が必要になります。
後で書こうと思っても忘れてしまうことが多いので,移動中などに随時作成しておくと良いでしょう。
また説明会がある場合,その資料も随時作っておくと良いでしょう。
メモ,To Doリスト
下見に行く前は,チェックポイントをさらっておきます。
例えば,何か活動をする場合,学年の人数を同時に実施できるのか,一般的ではないアレルギー対応が必要な場合,どういった手順になるのか,などいろいろなことを想定します。
何の準備もせずに行っても,帰ってきてから「あれも確認しておけばよかった〜」となるのが関の山です。
(正直,準備を入念にしても後で旅行社を通して確認してもらうことがあります)
打ち合わせは必ずしも机と椅子がある場所で行われるとは限りません。
立ち話になってしまうこともあります。
そういった場合は紙とペンが一番早く確認,記録ができたりします。
(旅行社の添乗員の方も行程表などを確認する際に,タブレット端末ではなく紙で確認している人が多いなと感じています)
クリップボード,A4サイズの紙(10〜20枚くらい)
メモ用紙は用意しますが,それとは別にA4サイズの紙(裏紙でok)があると良いでしょう。
メモ用紙では小さすぎるメモや,図を書いて説明する際,まとまった情報を整理する際にA4くらいの紙があると便利です。
学校にいると紙は当たり前に手に入りますが,外ではなかなか手に入りません。
クリップボードは机がない場所や,移動中の車の中で作業できるように持っていると便利です。
名刺
下見に行くといろいろな方から名刺をいただきます。
現地のガイドさん,現地の交通手段のスタッフの方,テーマパークのスタッフの方,学校交流の先生など。
名刺を持っていないと恥ずかしいですね。
状況に応じた服装,靴
状況に応じた着替えを準備しておきたいです。
スーツ,シャツ,革靴で出発したものの,現地で自然アクティビティがあった…。
その日はジャージとスニーカーが必要だ…。
ということがあります。
また,ウィンタースポーツをする場合も,特別な服装が必要かもしれません。
一方,チノパン,シャツ,ノーネクタイで出発したものの,学校交流の打ち合わせでスーツが必要になった…ということもあるでしょう。
出発時の服装も迷われるかもしれません。
これは,学校や学年団等によりきっちりしたい,少しラフでもよいなどあると思うので,迷った場合は上席の教員に聞いてみて,合わせるのが無難だと思います。
仕事なので男性は基本はスーツと考えておいた方がよいでしょう。
女性はスーツで来る方はあまりいないかなと思います。
いつものように,仕事着としての私服のことが多いと思います。
まとめ
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
記事を書きながら,下見に行くには「下見のための準備が必要だな」と改めて実感しました。
入念に準備して,安全で充実した修学旅行を成功させたいですね。
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