日本の学校の掃除|なぜ生徒が掃除をするのか?|コツはあるのか?

机を運んでいる男子 学校の先生の仕事
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日本の学校を卒業した人は、みんな教室の掃除をしたことがあるはずです。

それくらい、生徒の掃除当番というのは当たり前のようになっています。

今回の記事では学校の掃除について深掘りしてみました。

隣の芝
隣の芝

自己紹介

  • 非常勤+専任の私立教員歴は約15年!
  • 担任は10年以上経験! 修学旅行の準備・引率、大学受験の指導経験もあり
  • 教科は英語海外への引率経験もあり
  • 校務分掌教務、進路、広報、生活指導、生徒会を経験!
この記事をおススメしたい方
  • 諸外国の学校の清掃はどうなっているか疑問を持った方
  • 教室の掃除が面倒くさいなと思っている学生さん
  • 効率的に生徒が掃除をするためにどんな指導をするか疑問を持っている先生

海外の学校では生徒が掃除をしない?!

海外の学校は、生徒が掃除をすることは少ないようです。

こちらの記事に詳しいことが載っていました。

私自身もオーストラリアニュージーランドの学校に生徒を引率した経験があります。

そこでは、生徒は掃除をしませんでした。

1日の授業を終えると、(掃除がしやすいように)生徒が机の上に椅子をあげて、さようならです。

教師の負担も少なくていいなぁ〜と正直思いました(^_^;)

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日本の学校で生徒が掃除をする目的やメリットは?

自分が考える限り、主に2点が思いつきます。

  • 公共の場所は使ったらキレイにすることで、道徳教育しつけになる
  • 毎日掃除をすることで、清掃費の削減につなげる

昔、事務職員にズバッと言われたことがありました。

「教室に業者さんの掃除を入れてもいいけど、学費を十万円以上、値上げすることになるね」って。

コストカット

一般的な教室の清掃方法

一般的な方法ですが,これが効率的である程度キレイになるのかもしれません。

全員で机を前or後ろに寄せる

帰りの号令をかけたら,全員で自分の机を前か後ろに寄せます。

机を移動させる前に,机の上に椅子を逆さに置きます。

ちょうど,机の天板と,椅子の座面が接する感じです。

これをしないと,椅子を机に乗せていないと,机・椅子を運ぶ作業が倍に増えます。

空いたスペースを掃除当番が掃く

机がある時に比べて,スペースが広くなるので掃除をしやすいです。

掃除当番が,寄せてあった机を逆側に寄せる

机を集めている場所にはまだゴミがあるので,逆側に机を寄せます。

掃除当番は何十人もいるわけではないので,机の上に椅子が乗っていないと,この時に作業が倍になってしまいます。

机を運ぶ女の子

再度,空いたスペースを掃く

先ほどと同様です。

教壇の上をキレイにする

同時に,教壇の上をモップなどでキレイにします。

教壇の上は,チョークの粉がたまりやすい場所です。

次の日に授業を受けられるように,机を並べる

授業が受けられる位置に戻します。

机の上に乗った椅子は下ろしません。

限られた人数の掃除当番が全員分の椅子を下ろすより,翌朝に各自が登校したら自分で下ろす方が効率的だからです。

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効率よく掃除をするコツ

私個人的には掃除はできるだけ短時間で終えたいです。

中には「○分間は必ずやりなさい」という指示を出す先生もいるようです。

今までは時給○○円と言う時間に対して給料が支払われた時代でした。

これからは給料はジョブ型になっていくと思われるので,効率を重視します。

生徒ごとに役割を指定する

掃除の時間になって,誰が何をやるかを決めるのに時間を使いません。

年度初めに掃除当番を決める際に,○○さんと△△さんはホウキ,□□さんはチリトリ,☆☆さんはモップと,役割も決めておきます。

掃除を始めるまでの時間を短縮させます。

年度途中で役割分担を変えたくなったら,本人たちが話し合えば良いのです。

毎回話し合うのは,時間がもったいないと個人的に感じています。

掃除をしている学生

先生が8割キレイになれば十分と考える

生徒はプロの清掃業者ではありません。

生徒が掃除をして,本当にキレイになるはずがないんです。

ここはハードルを下げて,

  • 使った場所をキレイにする道徳心を養う
  • 基本的な掃除用具の使い方を知る
  • 毎日,使用できるくらい汚くなければ問題ない

くらいで良しとしませんか?!

先生だって勉強を教えること,授業をすることが仕事なのに,枝葉の仕事に時間をかけなくてもいいのでは?!と感じます。

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同じところを何度も掃かない

中にはおしゃべりをしながら,何にも考えずにホウキを掃く人もいます。

「同じところを何度も掃いても、他にゴミ残ってるよ!」

とツッコみたくなります。

どうせおしゃべりをするなら、横一列に並んで、一斉にホウキを掃いた方がキレイになります。

ちょうどグラウンドのトンボ(正式にはグラウンドレーキ)をかけるイメージです。

普段、登下校中はあれだけ横に広がっておしゃべりしています。

うまくいかないわけがありません笑

サボる生徒にはどう接する?

幸運なことに、あまりサボる生徒に出会ったことがありません。

もちろん、普段から時間を守る、提出物は完成した状態で期日までに提出する、といった指導はしています。

人間的なレベルを下げないよう心がけています。

しかし、それよりも大きい影響を持つのは、これまで生きてきた中の家庭教育やそれまでの学校教育です。

ただ、掃除をサボりがちな生徒もいるのも事実です。

こういった生徒には、いくつかアプローチがあります。

掃除をすることの心理的負担を減らす

掃除を物凄く面倒に思う生徒がいたとします。

「効率良くやって、早く終わらそう」と言えば動き出しが早いかもしれません。

友達と話しながら掃除をしたら、次回からなんとなく言われなくても掃除を始めるかもしれません。

先ほどの「8割キレイになればいい」と言う感覚で、まずは参加を促してみましょう。

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同じ担当日の生徒からも声をかけてもらう

孤立したり、誰も助けてくれない状況を好む生徒は少ないです。

掃除をサボった人を呼び出す際も、教員が直接声をかける前に、同じ掃除当番の生徒に伝言を頼むのです。

「昨日、掃除をサボったから、先生が呼んでいたよ」って。

やんわりと、あなたの行動で他のクラスメートも困っていることが伝わります。

友達に声をかける

保護者会、三者面談で報告する

それでもダメなら、三者面談等で保護者に伝えてもいいかもしれませんね。

ただし、ここまでの手段を講じても改善しない生徒は、親から反発があるかもしれません。

「本当にうちの子は掃除をしていなかったのですか!!」って。

こうなったら、諦めつつ、最後にこう言います。

「では、同じ掃除当番の生徒には保護者の言葉を伝えておきます。」と言いつつ、話を締めくくります。

最終的には策は練るけれども、絶対的な解決は期待しないことです。

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最後に…、生徒が掃除をする場所は減っている?!

最後までお読みいただきありがとうございます。

世界的にみたら、生徒が教室の掃除をするのは特殊なのかもしれません。

また、時代に合わせて掃除をする場所も変わりました。

生徒がトイレ掃除などをする学校も減ってきているかもしれませんと思われます。

私自身が中学生の時は、自分自身がトイレ掃除をしたのを覚えています。

一方、体育館、音楽室など部活で使用する場所は、その部員が掃除をするといった慣例も残っているでしょう。

教育的な面、経営的な面の両方から、生徒による清掃について考えてもいいかもしれませんね。

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