「日本人は中高で6年間英語を勉強したのに,英語が苦手なんです…」
謙遜も含んでいるとは思いますが,こんな会話をすることがあります。
今回は,大人が感じる英語の苦手をテーマに書いていきます。
テーマ別に実用的なお話をします。
自己紹介
文法は苦手??少しずつ,一通りは頑張ってマスターしよう!
「英文法?!無理無理!!」
っていう人もいらっしゃるでしょうか?
文法は言葉の法則がまとめられたものなので,便利であるハズなんです。
言葉の勉強を、高機能なオーブンレンジに置き換えて考えてみましょう。
白米を温めるだけなら説明書なんてなくてもなんとかなります。
でも,
「白米を温めたらちょっと冷たかった。毎回温め直すのは面倒だな。」
「ケーキを作ってみたいけど,うちのオーブンレンジでできるのかな?」
とちょっと高度なことをやろうとするときは,説明書に手が伸びるハズです。
英文法もそんなもんです。
短い文をたくさん言えば,言いたいことは伝わります。
でも「関係詞を使ってひとまとめにすればスッキリ言えよね。」
「想像上のこととか願望を言うなら仮定法だよね。」
と英文法を知っていれば,表現の幅が広がります。
「なるほど,英文法は便利なものなんだね〜。でも,ややこしいんだよね。」
と思うかもしれません。
そうです。
ややこしいです。
でも,皆さん。
「オーブンレンジを買って,最初に説明書を端から端まで読む人ってどれくらいいます?」
一般的に,使いながら困った時に説明書を開いてみますよね?
または,しばらく使っていて「何か知らない機能ってあるのかな」って、ふと思った時に説明書を読みますよね?
英文法も同じです。
最初にルールを覚えることに集中してはいけません!
初学者の言葉の習得は帰納法がおススメです!
話を元に戻します。
初めて習う言葉で,ルールだけどんどん示されてもどうやって使うか分からなくなりますよね?
オーブンレンジを使う時と同じで,言葉を使いながらルールを確認していくのが良いのです。
AIやコンピュータなら,ルールを一通りインプットさせたら正しい言葉を示してくれます。
しかし,人間はなかなかそうはいきませんね。
スタディサプリENGLISH ビジネス英語コース 英会話セットプランコンピュータがルールを先に全部覚えるより,時間と手間がかかり,遠回りな方法かもしれません。
でも,少しずつ頑張っていきましょう。
現在完了が苦手なのは日本語にはないから?!
時制が苦手と感じるかもしれません。
特に現在完了,苦手な方いらっしゃいませんか?
(プロの方は完了形は時制でなく,相じゃん!とツッコみたくなるかもしれませんが,ここはご容赦ください)
「過去形とどう違うの?」
「『完了』って書いているのに,意味はなんで違うの?」
こんな話はよく聞きます。
日本人が完了形を苦手に感じる理由,それは……
日本語にない文法だから!
自分の母語にない表現は苦手です!
日本語が母語でない人は,日本語の物の数え方が分からないと聞いたことありませんか?
本は○冊,でも論文は○本など,詩は○編と,同じように印刷物でも数え方が変わります。
これは日本語が母語になっていないと厳しいですよね。
現在完了は中学生の時に,「完了,結果,継続,経験の4つの意味に分かれるよ〜」と習います。
生徒は「なんで同じ形なのに意味が4つも?!」と思いますよね。
4つの意味があることを知った後に,現在完了の本質に迫る方が簡単だからです。
現在完了の本質は「現在との関連性」を示すんです。
いきなり「現在(今)との関連性」なんて言うルールを言われても訳わかりません。
だから,中学の時に完了,結果,継続,経験とより意味を分析して教えているのです。
こうすれば,「いきなりhave + 過去分詞は現在との関連性を表すよ!」って言われるより分かりやすいですよね。
ちなみに,ここにも,帰納法的説明が使われています。
前置詞が苦手??空間的イメージをしよう!
前置詞がややこしいということもあるようです。
前置詞は、物の位置、場所などを示すことが主な役割です。
例えば,on。
Onは「〜の上に」と習いますが,正確には物理的接触を意味します。
There is some dust on the floor.(ホコリが床にある)
There is a poster on the wall.(ポスターが壁にある)
There is a fly on the ceiling.(ハエが天井にいる)
全部,物理的な接触です。
一歩深めて,受験生はon 〜ingで「〜するとすぐに」という意味になると学びます。
On hearing his name, he got out of the chair.(名前を聞くとすぐに,彼は椅子から立ち上がった)
名前を聞く出来事と椅子から立ち上がる出来事が時間的に「接触」しているから「〜するとすぐに」という意味になるわけです。
また,「〜に関して」という意味もonにはあります。
「微生物に関しての研究」と言えば,微生物というテーマと研究という言葉を意味的に「接触」(関連)させているから,「〜に関して」という訳になるわけです。
では,なぜ前置詞は物理的な位置関係を表す意味から派生したと言えるのか?
人間は生きてく上で,五感の中で視覚に大きく頼っているからです。
犬なら嗅覚,コウモリなら聴覚でしょうか。
そして,人間は知能が発達しているので,目に見えない抽象的なことを考えられます。
だから,視覚的な意味が根底にあって,時間や言葉の意味など,目に見えないものに考え方を応用させるのです。
「その2」に続きます
今回,ネット上の質問にあがっていたことをまとめてみましたが,まだまだありました。
この続きは,その2をご覧ください。
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