会社勤めの方や生徒にたまに聞かれます。
「先生って生徒と同じように夏休みあるんですか?」って。
いや,そんなに夏休みがあったらホワイト中のホワイトな働き口です🤣
そんなことはありません。
今回はそもそも夏休みって何のためにあるの?先生って夏休みに何をしているの?という疑問にお答えします!
なお,自分自身が高校でしか働いたことがないので,話は高校での実情となっています。

自己紹介
夏休みは生徒がリフレッシュするために設定されています
なぜ,夏休みがあるのかいくつか理由は考えられます。
最初にあげた理由に尽きると思われます。
夏休みは日本の学校に限ったものではなく,どこの国の学校にもあります。
夏休みのない学校を探す方が大変です。
子供も大人も,毎日,学校や会社に行くことは生活のリズムとして大切なことです。
しかし,人間は時には休養やリフレッシュが必要です。
そのために,夏休みなどの長期休みがあるのです。

2つ目以降は,列挙したものの,本音を言うと少し理由としては弱いです。
2つ目にあげた,課外活動のようなものは取り組む生徒も,興味のない生徒もいます。
3つ目にあげた,家族との時間は,そもそも保護者が仕事に出ていたら家族の時間を持てません。
4つ目の学校運営は,教員の数を増やせば解決できます。
ただ現実的には,教員の数を増やして長期休みを短くしようという話は聞いたことがありません。
夏休み中の学校の先生の仕事は?
生徒が夏休みの間,先生も同じ期間休みと思っている人がいます。
日本ではそんなことはありません。
生徒の登校日と,教員の勤怠は同じではありません。
以前,カナダの学校を訪問した際に,こんな話を聞きました。
その学校では,生徒の夏休み期間,先生もお休みになります。
期間にして2ヶ月ほどです。
それは嬉しい!と思いきや,その期間,先生に給与が支払われません。
だから,短期で別の仕事をするそうです。
窓拭きの仕事,バーの店員など,教育とは全く異なる職種の仕事をする先生もいるとのことでした。
学校での夏期講習
高校では学校で夏期講習を実施するところもあります。
もちろん,担当するのはその学校の先生です。
普段の授業ではいろいろな学力の生徒に一斉授業を展開します。
一方,夏休み中などの講習では,基礎レベル・発展レベルや,特定の大学に合格するための演習などターゲットを絞って設定できます。
難易度や内容の設定は,生徒のニーズを加味して,教務部や進路指導部の先生が決めたり,各先生が自分で決めたりします。
こういった講習が夏休み中にあるので,昔に比べて生徒自身も夏休みが短いと感じるかもしれません。
部活動
夏休み中に部活がない方が珍しいですね。
各種大会も夏休み中に設定することが多いです。
有名なものでは,甲子園,運動部のインターハイ,文化部のコンクールや大会などです。
夏休みに入るか,入らないかくらいの7月中旬くらいに予選が始まり,8月の中旬から下旬にかけて全国大会の決勝が行われる種目も多いでしょう。
予選は競技人口が多いと前倒しに実施し,6月の土日から始める競技もあります。
とはいえ,最近は教員の働き方改革の一環で,部活動の活動日数を減らす学校もあるようです。
子供が夏休み中に家にずっといるのも困ると感じる保護者も多く,部活が少ないと学校にクレームが入るといった話も聞いたことがあります。
ちなみに,子供が家にいて困ると直接的には言いませんw
しかし,塾に行かせたり,他の習い事をさせたりするとお金がかかるので,学校に預かってほしいというのが本音だと思われます。
一方で,活動日の多い部活もまだまだあります。
「うちの部活は夏休みに毎日活動する」
「夏休みは朝から夕方までずっと活動している」
そう感じる生徒もいるでしょう。
部活動は今のところ、多くの学校で業務ではなく、ボランティア扱いです。
部活動に力を入れたい教員以外は「全く活動しないのも他の先生や部員からいろいろ言われるから,適度に活動しておくか」と思っているでしょう。
毎日,朝から夕方まで活動する顧問や指導者は,学校から強化部に指定されているか,部活がその顧問の生き甲斐になっているか,かと思われます。
後者の場合は生徒のための部活でなく,その先生のための部活になってしまっていますね。
中学生への学校説明会
私立の高校の先生は、中学生向けに学校の説明会があります。
校内で開催するもの、どこかのホールで合同説明会を開催するもの、と2種類あります。
係に充てられると説明会の仕事で1日が終わってしまいます。

授業準備
通常の授業がある期間に,あまりじっくりと授業の準備はできません。
教える内容がほとんど変わらない授業の場合,準備は必要ないかもしれません。
しかし,英語や国語など文章を扱う授業の場合,題材が変わるとゼロから準備をします。
また,大学入試問題を扱う場合,近年の傾向を分析して,適宜授業の内容を修正します。
教えておく知識や考え方をまとめたり,板書計画を立てるのは長期休みに済ませます。
2学期の行事の準備
体育祭,文化祭,球技大会,校内模試,各種説明会やガイダンスの準備をします。
体育系の行事なら,男女バランスを考慮したチーム分け,ルールの確認,先生や生徒の実行委員の役割分担などを考えます。
校内模試の準備は,時間割の作成,試験監督表の作成,科目選択・選択問題は何を選んでどう運用するかの検討,などがあります。
説明会やガイダンスは,スライドの作成,配布資料の準備などです。
去年までの資料がある場合も,変更点がないか確認します。
各種研修
夏休みは研修の機会が増えます。
種類もいろいろです。
テーマもいろいろです。
例えば,教科指導の場合,改訂される学習指導要領について,成績上位層の受験指導について,生徒のモチベーションアップのための工夫について,などです。
任意の研修もあれば,管理職や学校を統括する部署が義務的に設定する研修もあります。
調査書の作成
高校3年生の担任は調査書を作ります。
最近は総合型選抜や学校推薦型選抜を希望する生徒も増えているそうです。
これらは年内入試(おおむね11月に出願,12月に合格発表)なので,3年生1学期までの成績,取り組み等で調査書を作成します。
学校の5段階評定だけでなく,人物の特徴,学習への向き合い方,課外活動の様子など,担任をしている生徒一人一人の文章の作成もします。
生徒が登校する学期中はなかなかまとまった時間を作りづらいので,夏休み中に作って起きます。
先ほどから「生徒が登校する学期中は、なかなか仕事が進まなくて・・・」といった趣旨のことを書いてきました。
生徒がいないと,仕事がはかどると言えば本末転倒ですが,これが本音です。
普段は授業,HR,会議といった時間的に拘束される仕事の合間に,事務仕事やいろいろな準備をします。
また,生徒から相談を持ちかけられることもあります。
イメージ的には,自宅に子供がいる状態でリモートワークをするようなものかもしれません。
夏休み中は,途中で遮られることなく,ほぼ計画通りに進行中の仕事を進められるのが本音なのです。
先生にも夏休みもあります
先生って全然夏休みないじゃん!!って思うかもしれません。
夏休みにやっておくタスクはありますが,通常の授業やHRがなく,生徒に急に呼び止められることもないので,通常期に比べると時間的余裕はあります。
教員の夏休みは,一般的な会社と同じように夏期休暇が設定されていることが多いです。
期間は1週間ほどで,期間はもしかすると会社勤めの方より少し長いかもしれません。
また,生徒の夏休み中は有給休暇を使いやすいです。
一方,部活の大会があるので練習を入れないと・・・,と言った場合は休みが潰れてしまいます。
部活動はボランティア扱いなので,振替休日が認められないこともあります。
部活が生き甲斐の先生は,自分の休みが無くなっても気にならないようです。
個人的には,学期中にまとまった休みを取ることは難しいので,やや強引にでも休める時に休んでリフレッシュするようにしています。
まとめ
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
先生の夏休みはこんな感じかと思います。
ちなみに,自分は旅行が好きなので夏休みに入る前に「○○日~●●日はお休みを申請します」と宣言して,出かけたりします。
子供も大人もリフレッシュをしながら夏を過ごせるといいですね!
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