海外の学校を見学したことがあり,日本の教育は効率的,コストをできるだけ抑えた教育だと感じました。
一方で,コストを抑えると生徒一人当たりにかけられる時間はどうしても少なくなってしまうので,人を育てる上での質の低下は見え隠れしているなと感じます。
日本の入試は効率的に採点することが重視されている
海外はペーパーの試験に加えて,ボランティア活動,志望理由なども受験生に求めます。
手間と時間がかかりますが,大学で実社会に繋がる研究をしたり,大人になっていろいろな人と働くためには,ペーパーの試験だけでなくて主体性,思考力,人間性などが必要です。
日本の入試は短時間で公平に合否判定を出すには向いています。
ただ,入試と入学後の教育や実社会での活躍に直結していないと思ってしまいます。
入試の結果はイマイチな人でも,その後に花開いた人を見てきました。
一方,いわゆるいい大学を出ているのに,仕事ができない人もいます。
確かに,一部の推薦入試,AO入試ではアドミッションポリシー,ディプロマポリシーを意識しているなと感じます。
しかし,一部を除いて,一般入試やほとんどの推薦入試で,入試問題や入試に必要な書類と,入学後の教育,卒業時の能力に共通点や関連性がありません。
広い意味では学力は進学後に必要なものですが,テストに偏ってしまったために,そこまで細かい内容を勉強して,本当に進学後にその知識などを使う?!と思ってしまいます。
どんな受験生に入学してもらいたくて,どう教育機関として育て,どういう状態で卒業してもらいたいかという流れが見えてこないのです。
海外は入ることよりも卒業の方が難しいと聞きます。
日本はその逆で入学後はほぼ全員が卒業できます。入学後の教育活動につなげようとする入試という見方ができるかもしれません。
マークシートの試験は機械に流して,確認作業をするだけなので1日あればなんとかなります。
一方,志望理由,推薦書などを読んで確認しなければならないので,結果を出すまで手間と時間がかかります。
ということは,受験料も高額になる?!と思いました。
しかし調べてみるとほぼ日本の大学と同じくらいです。
その代わり海外では日本より教育にかける国家予算が高かったり,留学生相手には学費を高額にしたりして採算を取っているのかもしれません。
試験に偏ってしまったために,その後使わずに忘れてしまう知識を詰め込むハメに
日本の大学受験は1日10時間の勉強だ!と言われますが,海外の高校生は受験生でもそこまでやっていない印象です。
時間割もみっちり入っているのではなく,空き時間に受験勉強をしている人もいました。
先ほど書いた内容に重複しますが,必要な知識・思考力はきちんとテストで測りつつ,それを実務や現実世界にどう繋げられるかが意識されているのかもしれません。
また,日本の受験勉強の雰囲気がなくならないのも,日本では苦労が美徳という文化がまだまだ残っているからなのかもしれません。
学生時代に負荷をかけて勉強することは大事です。入試科目については以下の記事で書きました。
教室に生徒を詰め込みすぎない
日本の学校は30人〜40人を1つの教室に詰め込みます。
海外の中高を見学した印象では20人でやや多いなという感じでした。
教室内のスペースにも余裕があります。
人数が少ないのでテストも記述式問題を出題できます。
人数が多いと採点が間に合わないので,記号問題やマークシートが重宝されます。
残念ながら,そういった問題は効率的な採点にはつながりますが,本当の学力とは言えません。

まとめ
日本にいたら当たり前と思っていた教育も海外に出てみると,まだ改善の余地があるなと思います。
経済的には非効率と見える教育に対して,国が予算を投じられるかが日本の将来の分かれ目かもしれません。
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