大学の附属や教育提携校が思ったより多いなと思い,また先日,大学受験がどんどん苛酷になるという記事を読んで,この記事を書こうと思いました。
※記事はリンク切れのためリンクを外しました。
今の受験制度や,社会がジョブ型制などにシフトしていることを考えると,学歴(正確には学閥)だけで就職するのは難しそうです。
特にMARCHは5大学のグループで,早慶の2大学に比べて,各代の卒業生の数も多いです。
自己紹介
なぜ大学入試の一般選抜が難しくなったのか・・・
こんな構図が考えられます。
〈日本の風潮〉やっぱり学歴は就職に有利
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〈受験生・保護者のニーズ〉とりあえずMARCHに入りたい
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〈大学側の目線〉経営的に推薦制度で手堅く定員ピッタリの新入生を確保したい
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〈大学側の目線〉附属や指定校の推薦枠を増やしてみる
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必然的に一般選抜の枠は減り,受験は厳しくなる
この状況が進んでいくと,MARCHの学生が本当に優秀なのかという疑問につながります。
学歴フィルターは会社にとって有益そうな人材を効率よく探すためのもの
学歴フィルターには賛否があります。
使っている側の主張は会社が効率よく有益そうな人材を探す指標になります。
勉強ができる人は,話の理解力がある,思考能力が高い,勉強に耐えてきたのでやるべきことを選り好みしない,と想像ができるからです。
こういった話題になると差別的扱いだと反論されることがあります。
ただ,(他のネット記事に書かれているように)普通の砂場から砂金を見つけるより,砂金の中から価値の金を探す方が効率的です。
MARCHという枠組みは砂金の砂場なのか?
大学受験と言えば一般受験,という時代でしたら,学歴で思考能力や忍耐力を測ることはある程度できます。
しかし時代は変わりました。
MARCHは附属の高校が17あります(2022年2月22日現在)。
また過去の実績により指定校推薦枠を様々な高校に設けています。
多様な人材を受け入れると言えば聞こえはいいですが,果たして学力や学習能力の質が担保されているかというと疑問です。
附属高校の生徒や指定校で入学した学生は学力が高いのか?低迷気味なのか?
平均値を取ると一般受験の学生に比べて,学校推薦型選抜や総合型選抜で入学した学生の学力は低めと言われています。
新入生は4月にTOEICを全員受けて,授業のクラス分けに使うという大学があります。
入学区分別の平均点を見ると,一般受験の生徒が推薦や総合型の学生に比べて高めとなっています。
もちろん大学で学ぶ専門的な分野については差がないと思われます。
学力が低迷気味と考える人のワケ
やはりギリギリまで追い詰められて勉強をしていないので学力が低めという分析です。
また,高校に推薦入試で入った生徒は中学校の時の内申点で合否が決まります。
公立中学は地域によって学力差があるのは事実です。
例えば英語で「4」を取っている生徒でも英検準2級を持っている生徒,3級を持っている生徒,3級も取得できなかった生徒,いろいろです。
その点,附属中学の入試を突破した人は,小さいときに勉強をガンガンしてきたので,地頭がいいかもしれません。
中学受験と高校受験は厳しさが違います。
小学校から中学校への進学は受験をする児童と,受験をせずに公立に進学する児童がいます。
模試を受けるのは受験をすると決めた子供同士の戦いになるので,なかなか偏差値が上がりません。
中学校から高校は,前向きに頑張る生徒と,高校くらいは行っておかないとと思うくらいの生徒が受験をします。
あまり勉強をしないで仕方なく受験を迎えるという生徒も一定数います。
だから中学受験に比べれば偏差値が上がりやすいです。
また附属推薦で楽をして大学に行きたいと思っている生徒の数が多いほど,普段の授業も易しくなってしまいます。
一般受験の問題を解こうにも,「自分は関係ないから」と生徒は授業中に寝たりしてしまうからです。
MARCHくらいなら附属高校の学力は高いと考える人のワケ
高校入学時に読み書き計算などの力をきちんと測られて,いわゆる地頭がいいと言われる人は特定の知識を知らなくとも,すぐに吸収したり大学での学びに適応することができます。
中学受験をしたか,高校受験の時か,いずれにしても遺伝的要素,本人の努力により獲得したものです。
11月から12月に進路が決まっていても,2月,3月まで勉強をし続ける生徒もまれにいます。
結局は個々の生徒によって学力は異なる。
生徒の性格,勉強へのモチベーションなどによって,どれくらい熱心に勉強をするかは変わります。
一般化は難しいです。
ただ,人間は効率的に生きたい生き物です。
やらなくていい苦労は避けて通りたいと思う人は多くなりますよね。
大学にとって附属の学校を設ける経営的なメリットは??
附属の学校を作る経営的なメリットは,附属推薦制度により定員枠ピッタリに新入生の数を調整できることです。
一般受験は合格を出しても,入学辞退をされてしまいます。
大学側もどれくらいの受験生が逃げるかというデータを蓄積していますが,ピタリと当てるのはなかなか難しいです。
できるだけ,推薦や総合型選抜の合格者数で確実に入学する数を増やしておけば,少し一般入試で歩留まりを見誤っても経営への影響を少なくすることにつなげられます。
学則定員を下回ってしまうと,1人あたり数百万,卒業までで約1000万円の収入を失うことになります。(学費や補助金の額によって前後します)
かといって,学則定員以上を入学させたら指導が入ってしまいます。
だから,経営サイドからすると合格を出したら必ず入学してくれる入試制度がありがたいのです。
MARCHだけではダメ!就活生は会社で発揮できる自分の強みをアピールしよう!
話を就職活動に戻しましょう。
この状況は会社の人事部も分析していると思われます。
やや人気のある会社は学歴フィルターを上げることもできず,かといって撤廃して,一人一人エントリーシートを見ていては採用活動がとても終わりません。
だから,今まで通りMARCHくらいでフィルターをかけておいて,学生時代の活動やインターンの様子を選考材料にするというところが妥当なラインになるのではないでしょうか。
また大学入試が一般入試かどうかという質問を面接のときにされるかもしれません。
実際,ネット上にはそういった質問をされたという声もあがっています。
その際は嘘を言って採用されても,後で取り消しになるかもしれませんので,正直に伝えましょう。
附属校の人気が増えているようですが,MARCHというネームバリューだけに飛びつくと後が辛いかもしれません。
自分自身の成長を意識して,「欲しいなー」と思われず人材になることを意識したいですね。
まとめ
実際には会社の方針もいろいろなので,この通りにならないこともあるでしょう。
ただ,このあたりの状況が全然想像できないという方の一つの考え方のヒントになったのでは?!と思っています。
参考になれば嬉しいです
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