担任として、これまで50回以上志望理由書を添削しました。
高校生に共通する陥りやすいミスをまとめてみました。
この記事は大学入試用に書いていますが、就職活動にも応用できます。
参考にしてみてください(^^)
自己紹介
志望理由書の書き方のルール|大学受験をする高校生向け① 一般的な構成
志望理由書は一般的に4段落構成です。
1段落目は導入として、簡単に「将来は△△(職業など)として社会に貢献したい。そのために○○について深く学びたく、●●大学▲▲学部■■学科を志望する」などと書きます。
2段落目はきっかけとなる過去のエピソードや、自分なりに調べて考えたことを書きます。
3段落目にどんな仕事をしたいか、どんな学びを大学でしたいかを書きます。
4段落目は、1段落目の内容を再確認するまとめです。
では早速、どんな落とし穴に陥りやすいか見ていきましょう。
志望理由書の書き方のルール|大学受験をする高校生向け② 未来を語るのが志望理由書
志望理由書は「志(こころざし)」「望(のぞむ)」という漢字が入っている通り、「未来」について書くことが中心となります。
先ほどの構成で言えば、3段落目が一番大切です。
陥りやすい不適切な構成は2段落目の分量が多くなってしまうこと。
自分の過去は、当然自分が知っていることなので沢山書きやすいのです。
特に学部・学科や職業について調べが足りない、自分の未来のことを深く考えていないと、3段落目の分量が減ってしまいます。
3段落目に十分な情報を載せられるよう、自分の未来について深く考えておきましょう。
過去を語るのが自己PR
ちなみに、自己PRを書くよう求められたら、自分の過去を語りましょう。
自己PRは「明るい性格」や「真面目に物事に取り組む」といったことを書くのではありません。
自分が過去にどんな努力をして、どんな客観的評価を得たかを書きます。
客観的評価は別に全国大会○位といった成績でなくても良いです。
自分の主観的な評価ではなく、数値的な評価、第三者の声といった評価で締めくくると良いです。
志望理由書の書き方のルール|大学受験をする高校生向け③ 具体的に書こう
よく使いがちですが、できるだけ避けたいワードはこちらです。
すべてあいまいな表現ですね。
読んでいる側の気持ちはこんな感じです。
「この表現なら誰でも書けるので、本気で入学したいかわからないな~」
「大学に入ってから何をやりたいかよくわからないな~」
自分の過去を語る2段落目でも、自分の未来を語る3段落目でも具体的に書くよう意識しましょう。
特に自分の未来を語る部分は意識して具体的に書かないと、表現が抽象的になりがちです。
自分の過去のことはよくわかっていることなので、わりとすぐに具体的に書けることが多いです。
進路について下調べや自分がやりたいことがはっきりしているなら、具体的な言葉を意識してチョイスしましょう。
下調べや将来像がはっきりしていないなら、何か1つか2つでも将来やることを考えましょう。
一発OKなんてほとんどありません
過去の高校生の例を読んでいて、一発OKなんてありませんでした。
勘の良い人で2~3回の書き直しでした。
時間がかかった人で、5回くらいの書き直しとなりました。
一般的な添削と修正の流れはこんな感じです。
まず字数通りに書いてみる
→具体的表現が少なくて、将来像がよくわからないので書き直し
↓
具体的に書いてみる
→表現を具体的になると文字数が増えるので、字数がオーバー気味
↓
一番相手に共感を得られる話に絞って、完成
志望理由書の書き方のルール|大学受験をする高校生向け④ 受験生の考えだけを書かない
よく下調べをした人は、「○○という社会問題について、私は△△と考える」と意見を述べられる人もいます。
しかし、志望理由書は小論文ではないので受験生の考えを問いたいわけではありません。
「(今考えていることを、)より大学での学修活動を通して深め、卒業後は○○(職業)として貢献したい。」と自分の未来の姿までつなげていきましょう。
志望理由書の書き方のルール|大学受験をする高校生向け⑤ 志望理由書は自分がアピールしたいことに執着しない
一生懸命アピールしても、大学の先生に共感を得られないことがあります。
極端な例ですが、文学部英米文学科を志望しているのに、国際経済について学びたいと書いても先生方に響きづらいです。
だって、分野が違うから。
大学の先生、未来の同僚、将来の職業のお客さんなどにとってメリットになることをアピールしましょう。
大学のアドミッションポリシーを上手に使おう!
新クラスで初対面の人と趣味が同じだったら仲良くなれそうですよね。
大学も相手は人なので同じです。
大学側も価値観を共有できそうな受験生に入学してもらいたいです。
それを確認するのがアドミッションポリシーです。
嘘をつかない程度に、表現をアドミッションポリシーに寄せて書くとよいですよね。
自分が社会の役に立つ側になることを意識しよう
高校生はお金を払ってサービスを受けることが多いです。
だから「貴学の○○が魅力的である」「公務員対策講座を実施してもらえる」といった授益的、受動的な表現を使いがちです。
こんな風に言い換えてみてはいかがですか?
貴学の○○が魅力的である
↓
貴学の○○を学びたい
公務員対策講座を実施してもらえる
↓
公務員対策講座を受講し、公務員として社会に貢献したい
誤解されないためにも、自分が大学というフィールドを経て、将来どんな活躍をしたいかが伝わる表現方法を使いましょう。
志望理由書の書き方のルール|大学受験をする高校生向け⑥ 本音と建前を使い分けよう
ここまで読んで、「そこまで本気ではないのに…」と思うかもしれません。
ここはグッとこらえて、本音と建前を使い分けましょう。
CMなどで企業も「お客様のために、一つでも多くのご要望に応えたい」と言うことはありますよね。
会社が要望に応えるのは、そこに利益が生まれることがわかる場合のみです。
要望に応えたくない訳ではないので、嘘ではありません。
こういうのは本音と建前ですね。
ネガティブなことは書く必要がありません。
「まだ将来のことを具体的に決めていませんが、…」なんて書く必要はないのです。
不利なことは書かないでおきましょう。
志望理由書の書き方のルール|大学受験をする高校生向け はいかがでしたか?
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
今回の記事をを一通り読んだら、添削の回数を減らせるかもしれませんね。
最後まで頑張りぬいて、実を結ぶことを願っています。
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