受験は人生でそう何度も経験するものではありません。
だから,どれくらい努力をすれば,どれくらいの成績に到達するかよくわからなかったりします。
高校受験のときは中学卒業後にほとんど全ての人が受験をするので,偏差値が上がりやすいかもしれません。
一方,中学受験や大学受験はいわゆる学力が高い人,普段から勉強をしている人が挑戦をします。
そうなると,やってもやってもなかなか偏差値が上がりにくいと言ったことは起きてしまいがちです。
今回は大学受験の長文問題に焦点を当てて,英語の教員として受験指導をした時の経験を書いてみます。

自己紹介
MARCHレベルに到達するために触れておきたい英文の量
結論から言うと,高校2年の終わりまでに週に1題,英語の長文問題を解きましょう。
ただし,生徒の学力,期間など細かい条件があります。
過去の経験を基に,説明していきます。
高校3年生は受験生になるので話は別です。
2日に1題以上のペースで解き進めましょう!
スタート時の学力はどれくらい?
対象は公立中学出身の生徒です。
つまり,中高一貫校などで中学の時に先取り学習をしていない人の学力をベースにしています。
公立中学といっても,成績はいろいろです。
原則は英語の内申点が「4」か「5」の人のレベル設定でスタートしています。
地域によって評定を取りやすい学校,取りにくい学校があるので一概には言えません。
絶対評価で「3」の人は厳しい位置からのスタートととなります。
というのも,MARCH以上の学生数は同じ年齢の人口の10%くらいだからです。
覚悟をして学習習慣を維持しましょう。

どれくらいの難易度の問題に挑戦する?
高校1年の2学期から,共通テストレベルの問題を1週間に1題解きます。
夏休みなどは授業がないので,週に2題など演習量を増やしました。
第1問のような英文の量が短いものではなく,少なくとも第2問くらいの英文の長さのものを読んでもらいたいです。

そして,第2問A,第2問Bなどと分かれている場合は,それぞれ別の週に分けました。
もちろん,高校生になって3ヶ月しか経っていないので,長期戦に耐えられるように最初は飛ばしすぎないように配慮します。
もちろん,「自分はできるぜ!」と言う人は1週あたりの量を増やしてもいいかもしれません。
ただ,途中で失速しないように注意しましょう。
ということで,第2問A → 第2問B → 第3問A → ・・・ と進めています。
出題形式や英文の長さに変化があると長期的には取り組みやすいかなと感じているからです。
第6問Bが終わった後は,プチ達成感があったり,次は多少楽な問題になると思ったら乗り切れそうじゃないですか?!
でも,英語が苦手な場合は,まず第2問を数年分解いて,次に第3問,第4問・・・と進めても良いでしょう。
中学の時の英語の内申が「5」を取れていて,そのまま高校で計画的に勉強していると,半分弱の正答率で解き進められます。
もちろん,この段階では制限時間の設定なしで,演習量も大問1つだけなので,本番に比べればハードルは下がっています。

高校2年では少しレベルを上げていきます。
共通テストレベル〜私大の個別試験または国公立2次試験の平易な英文を読むのがいいでしょう。
英文の難易度を上げたいので,個別試験や2次試験レベルに移行したいところですが,マーク模試や共通テスト同日受験が近くなると,問題形式の確認,解答を出す手順の確認をこめて,共通テストをやったりします。
問題集で言うと何冊??
1冊20題前後が収録されているとします。
高校1年9月から高校2年3月までは,約80週あります。
夏休み,冬休みなどは週あたりの演習量を増やします。
そうなると90題くらいなので,問題集では大体5冊分ですね。

解き捨てては解いていないのと同じ
5冊やればいいんですね!と,ひたすら解きまくる人もいるかもしれません。
残念ながら解き捨てるようでは,解いていないのと同じです。
自学の課題でも復習が大切です。
- 自分の力だけで解く
- 答え合わせ,解答解説を熟読する
- 知らない単語,熟語,文法,見抜けなかった構文を理解し覚える
- 数日後に読み直して,引っかかる英文はないか,スムーズに解答を導き出せるか確認する
1回解いて,解答解説をサラッと読んだだけで,力をつけられるほど人間の吸収力は高くありません。
(一部,一回見ただけで全て覚えられる人はいますが,自分も含め多くの人はそうではありません)

この学習量で到達できそうな成績
この学習を続けていくと,高2の終わりの模試でMARCHにD判定〜B判定がつくようになってきます。
「なんだよ!それでもD判定かよ!!」って思うかもしれません。
はい。そんなもんです。
これは,次の要因があると考えられます。
多読によって共通テストには強くなる!
センター試験から共通テストに変わり,純粋に英文を読む問題形式になりました。
穴埋め問題や,並び替え問題はありません。
英語の読書量が増えれば,自然と速読力が身に付きます。
だから,共通テストのような問題を克服するのに一歩近づきます。
ただし、共通テストは英語を読む力に加えて、情報を整理する力が求められます。
英語を速く読めるだけでは、共通テストを攻略するのは難しそうです。
速読と精読はスイッチのように切り替えるものではありません。
最初はちょっとだけ複雑な英文を読むときに精読になってしまいます。
ただ,だんだん慣れていくと読むスピードが上がり,速読になっていきます。
読み飛ばさずに,読み進めるということが大切なのです。

今の時代に文法・語法の知識は必要??
一方で,私大の個別試験や国公立の二次試験ではいわゆる文法・語法・イディオムの問題が出題されます。
残念ながら,長文問題の演習だけでは,こういった類の問題には弱い傾向があります。
もちろん,触れた英文を丁寧に復習すれば,自然と文法などの力も身に付きます。
しかし,他の教科の勉強もあるので,なかなかそこまで丁寧にやることはできません。
Next Stageのような文法語法問題集で対策しておいた方がよいでしょう。
まとめ
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
大学受験に向けた英語の読書量は高校3年生になってから始めても,手遅れになることもあります。
高校1年生の時からコツコツと量をこなしていきたいですね。
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