大学入試の勉強を始めて,英文読解が急に難しく感じるかもしれません。
おそらくそれまでの勉強法では太刀打ちできない英文に遭遇したからだと思います。
そして,ワンランク上の英文は熟語などの表現が分裂されている特徴があります。
また必要な語彙数も格段に増えます。
そのあたりを書いていこうと思います。
自己紹介
公立中学までの英語は「日本語の並び替え」で意味がわかってしまう
中学校の英語は文が短く,英単語やフレーズさえ覚えていれば意味が分かります。
難しいパズルのようなことはする必要がありません。
Would you like / something / to drink / ?
~は欲しい / 何か / 飲む / ?
日本語の3つのフレーズを少し加工して自然に並べ替えれば,「何か飲み物はほしいですか。」となります。
少し機転を利かせば「何か飲み物はいかがですか。」となるわけです。
少し長めの英文で考えてみましょう。
When / I / came home, / my mother / was drinking / coffee / my aunt / gave / to us.
~時 / 私は / 家に帰った / 私の母 / 飲んでいた / コーヒー / 私のおば / 与えた / 私たちに
細かく分けましたが「私が家に帰った時」「私の母はコーヒーを飲んでいた」「私のおばが私たちにくれた」とブロックに並び替えてあげます。
そうすると,この後はもう意味が分かりますよね。
ということで,公立中学の英語は日本語の並び替えで乗り切ってきた人が多いのです。
では,大学入試に必要な英語はなんでしょう??
大学受験を目指すならやっておきたいこと
まず文法を体系的に頭に入れよう
実は基本的な文法は中学生のうちにすべて学び終えています。
別に文法を全く扱っていないわけではありません。
ただ,公立の中学校ではゴリゴリの「英文法」の授業はないので,気づかないかもしれません。
例えば,中学2年生の教科書の本文の中に “Would you like something to drink?” という文があったとします。
something to drinkという表現は初めて目にするでしょう。
そこで,to drinkというのは不定詞でsomethingのことを修飾しています。
こんな具合に「自然な流れで言語を学んでいく」のが今の中学英語です。
表現に遭遇するたびに文法を扱うので,それだけで体系的に整理されることはありません。
また,いわゆる文法問題はあまり推奨されません。
だから,ほとんどの中学生が文法を意識せず,フレーズごとに日本語を並び替えて意味を理解してきたことでしょう。
ちなみに今の30代くらいまでは,「今日はto不定詞というものをやります。to不定詞というのは・・・」といった具合に理論の説明がありました。
まず,体系的に英文法が頭に入っていない人はしっかり覚えましょう。
フレーズリーディングが通用しない
高校の教科書レベルや共通テストレベルまでの英文はほぼフレーズリーディングで対応できます。
シンプルな英文をたくさん読むためには,手っ取り早い手法です。
ただ,次のような英文はどうでしょうか。
Hardly do teenagers in Japan spending a lot of time using smartphones understand the use we make of PCs. How is it that they utilize the machines to practically make some small adjustments of data?
やや強引にいろいろ盛り込んだ英文です。
この文はフレーズリーディングでは読み解くのが難しいと思われます。
分裂されている熟語・表現に気付こう
先ほどの英文でフレーズリーディングが通用しないのは,熟語や表現が分裂されていたり,順番が通常と入れ替わっているからです。
まず最初の文をざっと色分けをしてみます。
〈Hardly〉 do [teenagers in Japan spending a lot of time using smartphones] understand [the use we make of PCs].
主語が赤,述語動詞が緑,目的語を青にしました。
まず最初にHardlyを持ってきていますが,準否定語なので倒置が起きます。
よって,doが次に来ています。
ここの部分はとりあえず「ほとんど~ない」でいいです。
次に主語になっている赤い部分です。
ここは分詞の後置修飾,spend O ~ingが主な着眼点でしょうか。
そこまで複雑ではありません。
「スマホを使うのに多くの時間を費やしている日本のティーンエイジャー(若者)」
ここだけでは複雑ではありませんが,他が入り組んでいるので混乱したかもしれませんね。
動詞はすっ飛ばして,目的語。
make use of (~を利用する)といった熟語を関係詞でバラしました。
We make use of PCs. で「私たちはPCを使う」となります。
useには「使用法」という意味もあります。
ということで「私たちのPCの使い方」が妥当な訳でしょうか。
ということで, 「スマホを使うのに多くの時間を費やしている日本のティーンエイジャー(若者)は 私たちのPCの使い方をほとんど理解しない。」といった意味になります。
今回,英語以外の難易度は下げたかったので,smartphoneなど身近な話題をあげてみました。
例文の意味がちょっとまずかったかな・・・(-_-;)
すみません。ご容赦いただいて,次の文に移ります。
How is it that [they] utilize [the machines] to practically make some small adjustments of data?
本当はis,itが主語,述語動詞ですが,強調構文なので色付けをしての解説はしませんでした。
強調構文を取っ払うと,how do they utilize … ?となります。
強調構文,特に疑問詞を使った強調構文はわかりづらい構文の一つです。
強調構文はIt is ~ that …となりますが,疑問詞をIt is how that …のまま使えないので,疑問詞を文頭に持っていき,it isも語順を逆にします。
もう一つのわかりづらい点は,to不定詞に副詞を入れ込みました。
通常ならto utilizeとtoの直後に動詞の原形が来ます。
この間に副詞が入れ込まれることがあります。
今回はpracticallyを入れ込みました。
ということで,2文目は「実務的にデータの微調整をするために,彼らはその機械(PCのこと)を一体どう使うのでしょうか。」といった感じになります。
隣り合わせになっていない単語の関連性を見抜こう
こういった難しい英文に中学校や高校の教科書で遭遇することはあまりありません。
だから,日本語の並び替えやフレーズリーディングで十分対応できたのです。
特に難関大学を目指す場合は,正確な文法,構文,熟語の知識が必要になります。
ちなみにこういった複雑な英文がたくさん載っている問題集を紹介しておきます。
シリーズ物で表紙が似た別のものもあるので購入の際は気を付けてください。
語彙を増やそう
文構造の他に,語彙力の強化も必須です。
中学校で学ぶ単語数の3~5倍くらいは覚えることになります。
大学入試の英単語について,どんな単語がどれくらいの頻度で使われているか分析した記事があります。
こちらもご覧ください。
まとめ
今回の記事では主に,分裂された表現に気づくことの大切さを伝えてきました。
ぜひ,正確に英文を読むために一歩踏み込んだ英語学習を頑張ってみましょう!
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