2022年から論理・表現という科目が新設されます。
学習指導要領上は
話すこと[やり取り],話すこと[発表],書くことの三つの領域(以下この節において「三つの領域」という。)別に設定する目標の実現を目指した指導
高等学校学習指導要領(平成30年告示)
となっています。
実際のところ,最初は英文法の学習になるであろうと予想されます。
学習指導要領にも「英語の特徴やきまりに関する事項」という部分があります。
三つの領域別の目標を達成するのにふさわしいものについて理解するとともに,それらと言語活動とを効果的に関連付け,実際のコミュニケーションにおいて活用できる技能を身に付けることができるよう指導する。ただし,語や文法事項については,三つの領域別の目標を達成するのにふさわしいものを適宜取り扱うものとする。
高等学校学習指導要領(平成30年告示)
ということで,英文法のテストをどうやって作っているかをご紹介したいと思います。
自己紹介
まずは難易度別に文法の問題形式を紹介!
難易度★☆☆☆☆ 4択などの選択問題
生徒にとっては点数がとりやすいと感じる問題形式です。
平均点が低くなりそうな時に使う問題形式です。
難易度★★☆☆☆ 選択肢群から選ぶ問題
例えば,選択肢を多めに作っておき,複数の問題に使うタイプの問題形式です。
説明では分かりづらいでしょうか?
例えばこんな形式です。
1.He is interested( )English.
2. She was surprised( )the news.
3. He tried to talk his friend( )coming to the party.
あ on
い in
う with
お at
か between
き about
く into
け of
こ over
ちなみに答えは順番に「い,お,く」です。
生徒側は「選ぶ」という感覚ではなくて,「自分で書く」つもりで選択肢を探さないととても選びきれません。
教員にとっては記号問題にできるので,採点がスムーズにできるのもメリットです。
難易度★★★☆☆ 空所補充の記述問題
いわゆる穴埋め問題です。
難易度的には選択肢群から選ぶ問題とさほど変わらないかもしれません。
ただ,スペルミスなどで減点または失点につながりますので,少しだけ難易度が上がっていると言えます。
難易度★★★★☆ 並び替え問題
和文英訳や英作文の一歩手前の問題形式です。
難易度を上げるには,不要な選択肢を混ぜておく,受験者が1語を補って解答する,と言った手があります。
(もちろん,そう言った指示は問題に書く必要があります)
難易度★★★★★ 完全記述の問題
生徒にとっては一番嫌な問題形式でしょうか。
実は教員も採点が難しい場合があるので,公平な採点のことを考えると問題作成にかなり気を使います。
和文英訳など受験者の答えがある程度決まっている場合と,論述問題といった決まった答えにならない場合があります。
エッセーの書き方などは事前に授業できちんと扱っておく必要があります。
思考力・判断力・表現力の部分はどんな設問になる?
今までは知識と技能に偏りすぎている!
思考力・判断力・表現力を養う英語力を!
と最近は言われています。
単なる和文英訳でもダメ,ではどうするか?
状況からどんなことを言えるかというアプローチが一つの方法です。
例えば,「以下のイラストでお母さん(紫の服を着た女性)はどんなことに気を付けて,何をしているか英語で説明せよ。」といったものです。
模範解答の一つはThe mother is trying to pour juice equally for her children.(お母さんは子供たちのために均等にジュースを注ごうとしている)といったところです。
採点者としては,いろいろな解答が出てくると公平な採点が難しくなります。
一方で,和文英訳のように問い方を絞れば,思考力などを測ることにはなりません。
ということで,折衷案としてこういった問い方が一つの方法になっています。
では,生徒はどんな対策をしてテストに臨む?!
新しい教材は買わない!授業で使っている教材に丁寧に取り組もう!
定期テストは日々の学習の習熟度を確認するものです。
今回の記事は問題形式のことをメインで話していますが,そもそも授業の内容が頭に入っていないと点数は取れません。
日々の復習を大切にしましょう!
問題形式が変わっても答えられるように準備しておこう!
高校の偏差値55くらい〜65くらいまでの学校は,教科書や問題集の問題をそのまま出題する設問,出題形式を変えた設問が混じっていると思われます。
中学校の時よりは難しくなっているでしょう。
もう少し厳密に説明しましょう。
偏差値55くらい以上の生徒は高校卒業後に大学進学を意識している生徒が多いと思われます。
そして,もちろん大学入試では一度見た問題がそのまま出題されることはまずありません。
となると,できれば高校の定期テストも初見問題をバンバン出題したいです。
ただ,そうすると平均点が大幅に下がってしまい,評定をつけられなくなってしまいます。
そこで,問題集の問題を,形式を変えて出題するという手を使うのです。
出題形式が変わることへの準備はいくつかあります。
選択肢は隠して解く
購入した教材が選択問題となっていても,テストでは記述式に変えることがあります。
テスト勉強の時は選択肢を隠しても解けるように準備しておきましょう。
テキストの穴埋め問題は並び替え問題に変わるかも?!
さらに難しくする場合は,教材で穴埋め問題になっていたところを並び替え問題に変えます。
そして,元々穴埋めとなっていた場所(単語)を問題文に書かずに,「1語補って並び替えよ」と言う形式にするのです。
問題集の答えになっていない部分の単語,熟語,文法などで知らないものは別にメモを残しておく
教材では穴埋め,並び替えとなっていたところでも,和文英訳に変えたりする手があります。
この場合,教材の中で答えになっていない部分の英単語,熟語,文法がわかっていないと解けません。
テスト勉強の際は,ただ解くだけでなく,答え合わせの時に「知らなかった単語はなかったか」「腑に落ちない英語の表現はないか」などの確認をしておくといいでしょう。
大半が大学進学を考えている高校なら大幅な問題形式の変更も普通
例えば,英語の時制が試験範囲だとしたら,全然違う文献から問題を引用することもあります。
また,自作の問題を作る先生もいます。
1学期の中間テストが終わったら,問題形式を確認してみよう
推薦で大学を狙っているなど,学校の成績が必要な人は1学期の中間テストが終わったら問題形式の振り返りをしてみよう!
出題者が毎回同じとは限りません。
しかし,こんなことを確認してみてはどうでしょうか
どうしてもテストは問題形式に慣れているかどうかで,同じ学力でも取れる点数が変わります。
問題形式を分析するのは,大学入試の準備をするときも必要になるでしょう。
まとめ
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
高校の文法のテストについて書いてみました。
公立中学ではいろいろな学力層の生徒がいましたが,高校は入試を経ているので,中学生の時ほど点数が取りにくいと思われます。
新しい環境でのテスト対策の参考になれば嬉しいです!
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