英文法・語法は中学校、高校でほぼ全ての実用的な知識を学びます。
自分が英語に向き合うだけなら、高校の参考書までの内容で事足りるでしょう。
しかし、人に教える立場になると厳しい場合もあります。
私自身も鋭い生徒からこんな質問をされました。
100歩譲って、最初の2つの質問には調べ直して回答することもできます。
しかし、英作文の添削をする際、正しい英語を間違っていると言ってはいけません。
もちろん、その逆もあってはいけません。
「通じればよい英語」から「他者を導く英語」が求められる立場になるということです。
ということで、この記事では職業上、英文法を扱う人向けの本を紹介します。
自己紹介
英語のおすすめ文法書10選|教員など上級者向け①
こちらの本は、かなり英語に詳しい高校生や、英語の先生など上級者向けの本になるでしょう。
カラー刷りで、イラストもあり、親しみやすいページデザインになっています。
一見、他の高校生向けの参考書と見分けがつきません。
堅苦しくないので、「実は高校卒業以来、あまり英文法の知識を深められていないんだよね…」という先生も手に取りやすいでしょう。
個人的には、「英語の原理」や「質問箱」など深掘りされているコラムがおススメです。
コーパス・クラウン総合英語 目次より抜粋
高校生としては学ばなかったことも、かなり網羅されている印象です。
今まで当たり前のように使っていた表現も、一歩深く掘り下げることができるでしょう。
英語のおすすめ文法書10選|教員など上級者向け②
初版が1953年の歴史ある文法書。
本屋では学習参考書のコーナーにあることが多いですが、深い内容が盛り込まれており、プロ向けの一冊です。
私は教員になりたてのころ、文法を解説する授業の前に該当する章を一読していました。
参考書目が添えられており、どんな専門書があるのか、指針になると言えます。
例文は一般的な高校生向けの文法書より難しいです。
ただ洗練された和訳もついているので、該当する文法事項とは違った角度で勉強することができます。
例文も含めてじっくり通読したい一冊です。
英語のおすすめ文法書10選|教員など上級者向け③
こちらも、高校生までの参考書に載っていないような一歩掘り下げた内容が載っています。
ここまで紹介した3冊の中で、もっとも専門用語が多い本です。
私は『英文法解説』に載っていない内容を参照したい時にひも解いています。
8文型の説明や、文構造の樹形図が載っているなど、より専門性の高い内容になっています。
英語のおすすめ文法書10選|教員など上級者向け④
この本は辞書のように、各項目が英語ならアルファベット順、日本語なら五十音順に並んでいます。
通常の文法書は、「名詞」「時制」などと章立てされていますね。
この点、他の文法書とは異なる構成になっています。
困ったときに参照する使い方もできますが、一度は通読することをおススメしたいです。
個人的には「仮定法と直接法の混合」の項目が特に印象的でした。
if節を使う場合、if節に直説法を用いると帰結節も直説法となり、if節に仮定法を用いると帰結節も仮定法となるのが普通である。しかし、ときに①if節が直説法で帰結節が仮定法、②if節が仮定法で帰結節が直説法のように両者が混合されて使われることがある。
柏野健次(2010)『英語語法レファレンス』三省堂 P288
まえがきにも「語法については、[…]日本人が誤りやすいと思われる項目を中心に扱った。」と記されています。
ここまで紹介した本とも違った角度で勉強できます。
英語のおすすめ文法書10選|教員など上級者向け⑤
A Practical English Grammar
学部卒で教員になると、洋書の文法書に触れる機会が少ない場合があります。
そんな方におススメの1冊です。
英文は易しいので、「難解な文法書に抵抗があるな~」といった方にピッタリですね。
また教員採用試験に英文法の用語が英語で出題されることがあります。
「分詞」「節」など文法用語の英単語を知っておいた方が有利になります。
(ちなみに、「分詞」「節」はそれぞれparticiple、clauseですね)
英語で英文法の勉強ができるので、これから試験を受ける方にもおススメできます。
2cmくらいの厚さなので、夏休みなどにざっと読んでみてはいかがでしょうか。
英語のおすすめ文法書10選|教員など上級者向け⑥
Practical English Usage
こちらも英文法が一通り網羅された洋書の文法書になります。
3.5cmくらいの分厚い本になるので、「あれ?!こういう場合はどうなるんだっけ?」「もしかしたら載っているかも?!」と参照しています。
個人的に特に印象的なのは、メール等の表現が載っているページでした。
informal emails
Personal emails are usually much more informal in style than letters on paper. Instead of ‘Dear X’, they often begin for ‘X’, ‘Hi, X’; or with no salutation at all.
Swan, M. (2005) Practical English Usage. Third Edition Oxford (p.127)
専門性は薄いかもしれません。
しかし、タイトルにUsageとあるくらいです。
実用性を重視した内容という印象を受けました。
英語のおすすめ文法書10選|教員など上級者向け⑦
冠詞は英作文の添削の際に困った経験があります。
日本語には直接的にない表現なので、きちんと勉強をしないと正誤の判断ができません。
私自身、高校生の時に冠詞を体系的に勉強した記憶がありませんでした。
ということで、冠詞についての知識を深められた1冊となりました。
『謎解きの英文法』シリーズは11巻で成り立っています。
英語のおすすめ文法書10選|教員など上級者向け⑧
この本は、ほぼA4サイズで、厚さが約7cmの本です。
2002年に刊行された本で、昔のカタい英語でじゃなく、読みやすい英文となっています。
大きいサイズの本になるので辞書のように扱うことが多いです。
いいお値段にもなるので、深く勉強したい人にのみおススメする本です。
英語のおすすめ文法書10選|教員など上級者向け⑨
Meaning and the English Verb
時制、進行形、完了形などの分野にバランスよく触れられます。
高校生向けの参考書では小さくしか扱われていない項目も解説されていました。
私自身、高校生のときに読み飛ばしていた知識を、この本で補ったこともあります。
大学生(学部生)でも辞書を使いながら読める英文なので、手軽に手に取れる1冊でしょう。
英語のおすすめ文法書10選|教員など上級者向け⑩
文型は、5文型、7文型、8文型、28文型など、解釈がいろいろあります。
高校英語で止まっている先生は、5文型が絶対正義と思いがちです。
しかし、そうではありません。
文型について深く知りたいときに通読するおススメの1冊です。
英語のおすすめ文法書10選|教員など上級者向けのまとめ
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
私自身、この記事を書くにあたりこれらの本を見返しました。
忘れている知識が蘇ってきて、改めて勉強になりました。
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