先生の残業の裁判は別の切り口で勝てるか?!残業以外の問題点

先生の残業の裁判は別の切り口で勝てるか?!残業以外の問題点

学校の先生の仕事
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10月1日に教員の残業代を求めた裁判の判決があり,今回の判決では残業代が出ないという判断になりました。

原告の方はTwitterも開設されており,積極的な情報公開を行っていらっしゃいますね。

この判決について個人的に考えてみたいと思います。

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先生の残業における裁判所としての判断は妥当

裁判所は違法か適法かを判断する場所なので,時間外労働に対して残業代を払わないと法的に決まっている以上,実は初めから勝ち目はない裁判だったのかもしれません。

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教職調整額についてのポイント

1 時間外勤務手当を支給しない。

2 時間外手当の代わりに、教職調整額として給料月額の4%を基準として、各都道府県が定める割合の金額を支給する。

3 教職調整額は給料相当とされ、期末・勤勉手当などの算定の基礎とされる。

4 時間外勤務を命じることのできるのは「限定4項目」に限られている。

http://www.p.u-tokyo.ac.jp/lab/ichikawa/johoka/2009/Group2/kyuutokuhou.html

今回の判決では,自主的な労働は校長の指揮命令ではないという判断もなされました。

「校長が具体的に指揮命令したことをうかがわせる事情はなく、原告の自主的な判断でおこなっていた」「黙示的な指揮命令があったと評価することはできない」などとし、原告が主張した全ての業務を「労働時間に当たる」とは認定しなかった。

https://news.yahoo.co.jp/articles/8dcc4f6b339a01e542b8239ec132911e63b5613e リンク切れになってしまいました。

ちなみに仮に指揮命令であっても,とにかく特給法で残業代は払わなくてもいいとなっているので,いずれにしても勝ち目はないかもしれません。

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先生の残業の裁判でも付言|問題はこれから

判決では,法律そのものが現状に合っていないという見解も付言されました。

当時の文部科学省大臣も重く受け止めると言っています。

ただ,問題は山積です。

財源はどうするか

今までも文部科学省は教員の働き方改革について何もしていないわけではありません。

タイムカードを導入して実態を調査したりしました。

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各学校,現在の教員数で超過勤務についてはいわゆる通常の残業代を支払う形式をとるのか,人を増やして超過勤務が発生しないようにするのか,どちらかになるのではないでしょうか。

どちらにしてもお金がかかります。

これは教員だけの問題ではなく,教職以外の公務員も残業代の予算が十分に確保できず,一定時間以上の残業はサービス残業になってしまうと聞いたこともあります。

そちらとの兼ね合いもあります。

もしかしたら,調整額が4%から少し引き上げる程度の解決策くらいしか着地点がないかもしれません。

どこまで子供たちに寄り添う教育活動を行うのか・学校運営の分業をどう行っていくのか

児童・生徒にどれくらい寄り添う教育活動を行うのか,学校運営のどの部分を教員が担当し,どの部分を他のスタッフが担当するのかということも勤務時間に影響します。

教育はどこまで手をかけるか,明確な正解がなく,命令を下す学校長は日々現場で起こっていることや,一人ひとりの生徒のことを理解していないので難しいところです。

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朝,教室で児童を迎え入れる必要があるのか

小学生くらいなら,朝担任とあいさつをして教室に入るほうが,社会性を育むために良いですが,勤務・手当のことを考えると本当に必要なのでしょうか,という話になります。

給食の時間は生徒と一緒に教室で食べて,指導する必要があるのか

朝の出迎えと同じですね。小学生,中学生はふざけたり,見えないところで嫌がらせが起こるかもしれませんが,勤務として監督するべきかどうでしょうか。

この時間は教員(労働者)の昼休みにも関係します。

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登下校時に通学路の立哨指導は必要なのか

文部科学省の見解では,必ずしも学校が直接かかわらなければならないものではないとなっています。

ただ,野放しにもできません。

小学生は安全面の問題があります。

中高生は生徒が一般の人に迷惑をかけて,学校にクレームが入ることもあります。

新たに警備員に立ってもらう予算を確保するなどの対応をするのでしょうか

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部活動は本当に教員の業務から完全に切り離せるのか

現在も部活動指導員の制度がありますが,完全に教員の業務から切り離せていません。

教員のマルチタスクをどう分業するのか

教員は授業のほかに,担任として進路指導,生活指導,いじめの問題,家庭の問題,校務分掌の仕事で雑務などがありますが,このマルチタスクをどう分業していくがよいでしょうか。

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先生の残業の裁判では触れられていない?残業代以外の問題点

1時間の休憩時間をとれていない

小学校,中学校の先生は特に給食指導もあるので,学期中に1時間の休憩をとれている人はまずいないと思います。

高校の先生も昼休みは生徒との面談があったり,いきなり生徒が質問に来たり,行内巡回指導があったりします。

生徒が授業を受けているときは自分自身の授業があり,空き時間も授業準備,小テストの採点,部活動・校務分掌の雑務があります。

1時間の休憩はとれていません。

だいたい,10~15分で昼食を済ませます。

また,学校は何かあったら担任にという雰囲気があり,個人に頼る傾向が強いです。

企業のカスタマーセンターのように,窓口がチームになることはありません。

そうなると,休憩や休暇を取りづらくなります。

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業務に必要な備品が支給されない場合がある

最近ではオンライン授業が始まった学校も多いと思いますが,必要な機材を自費で準備することがあります。

難しいところは授業というものは教員が組み立てているもので,学校がマニュアル化しているものではありません。

その年の生徒の学力によってアレンジをしたり,悪天候による休校など臨機応変に対応したりしやすいのですが,学校側,特に予算を管轄する事務課としては本当に必要なものなのかわからない場合があります。

(事務課としては予算を無駄に使いたくないでしょう)

ということで,必要なものを自費で買ってしまうことがあります。

各学校が授業をマニュアル化すれば,必要な機材,備品をすべて支給されやすくなりますが,身動きは取りづらくなるので,児童・生徒にとっての教育の質は下がってしまうかもしれません。

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先生の残業の裁判についてのまとめ

ということで,わかってはいるけど財源の確保が難しいということに尽きると思います。

教員は全国に100万人弱いるようなので,判断が慎重になると思われます。

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