定期試験を作るときにどんなことを意識しているか書いていきます。
ただ,人によって作り方はいろいろだと思うので,あくまで一例だと思って参考になればと思います。
定期試験の作り方の前に,そもそも試験にはどんな種類があるか説明していきます。

自己紹介
試験の種類ごとに作問のコツを紹介!
試験には目的があります。
評価をするための試験,選抜をするための試験,能力測定のための試験などです。
相互に重なる部分はありますが,タイプ別に説明をしていこうと思います。
評価をするための試験
学校の定期試験などです。
原則,不合格者を出すことを目的としていません。
バランスよく評定を算出するために,平均や中央値は満点の半分くらいが望ましいです。
また、あまり平均や中央値に密集しすぎない方が望ましいです。
評価は決めたら,決めっぱなしではいけません。
評価をして,次の指導や学びにつなげられるよう持っていくことが重要視されています。
特に中学校・高等学校で令和3年から始まる新学習指導要領では以下の観点は盛り込まれています。
指導と評価の一体化を図るためには,児童生徒一人一人の学習の成立を促すための評価という視点を一層重視することによって,教師が自らの指導のねらいに応じて授業の中での児童生徒の学びを振り返り学習や指導の改善に生かしていくというサイクルが大切。
新学習指導要領の全面実施と学習評価の改善について 令和2年10月文部科学省初等中等教育局教育課程課 P29
選抜をするための試験
入学試験などです。
基本的には、定員に達するまで上位者から選抜をするのに使われる試験です。
評価をするための試験より平均点などにこだわりすぎる必要はありません。
ただ,受験生全員にとって難しすぎる試験をすると,正確な実力を測れず偶然合格してしまう人が出てしまいます。
入試では受験生の実力差がきちんとわかるよう点数が分散されるような構成が望ましいです。
かつ、入学後の学習についていくために最低限出来てほしい問題を盛り込むのがよいと思います。
能力測定のための試験
学校の小テストや資格試験などです。
受験生に力があれば,満点あるいは合格になるものです。
あまり平均点を意識する必要はありませんが,受験生の数が増えれば増えるほど,平均点のぶれは少なくなると思われます。


英語の定期試験の特徴と作問のコツ
適正に評価をするため平均は60点くらいを目指して作成します。
先ほどは平均は満点の半分くらいと書きました。
この差は一部,能力測定のための試験を兼ねているからです。
高校以上の場合,さすがに30点程度では留年の対象になる恐れがあります(各学校で基準はいろいろだと思います)。
この進級のための最低限の点(約30点)と,残りの点数(約60点~70点)の半分くらいの点数(30点~35点)を足せば,平均は60点くらいになります。
こちらによると,留年のない中学でも平均点は60点くらいのようです。
平均を70点以上まで上げてしまうと,平均点以上の生徒の点数があまり散らばらず,5段階評定を決める際に能力差を反映しにくいです。
ということで,平均は60点くらいとしましたが,どのように作問し60点くらいにするでしょうか。
まずは,進級に最低限必要な約30点を決めます。
例えば,授業で演習した問題と同じ問題,または類似問題を出題する,すでに小テストの試験範囲で勉強してあるはずの範囲から出題するなどです。
満点とは言わないにしても,この部分で高得点がとれるでしょう。
教員は他の人が思っている以上に準備をして授業をしています。
教員の授業準備についてはこちら。
まずは授業を大切にしましょう。
先生は予習とかないから良いよな〜と思うかもしれません。
いえ、授業の準備は必要です!
- 教科書の英単語と意味
- 単語帳の英単語と意味
- 出題形式は選択問題
ただし,授業中に小テストや音読活動で学習しておくことが大切です。
高校の偏差値帯,生徒のモチベーションにもよりますが,「やっておけよ」指導では最低限の点数も取れないかもしれません。

次に平均点までの30点~40点分です。
これは,教科書や問題集の基本問題を出題します。
試験前に基本問題をきちんと復習していれば,平均点は取れます。
進級に最低限必要な点数を取れなかった人もこの部分は基本問題なので,ここでしっかり点数を取ればよいのです。
- 教科書の章末問題をそのまま出題(選択肢の順番は入れ替えてもいいでしょう)
- 授業中に解説した教科書の熟語,文法・語法の部分の選択・穴埋め問題
この辺りは学校によって変わるかもしれません。偏差値が50を下回る学校では,選択問題を多めに出します。
偏差値が60を上回る学校では章末問題をそのままではなく改変を加えたり,記述問題を多くしても高得点を取る生徒が多いでしょう。
最後に高得点者向けの30点~40点分です。
言わずもがなこの部分では難しめの問題を出します。
問題集の発展問題を少し変えた問題であったり,初見の問題を出すこともあります。
野菜をMotto!!国産厳選野菜スープ
- 初見問題
- 授業で扱った英文と類似した内容の長文
- 英作文
特に一般受験を目指す場合は,少しだけ初見問題を入れてもいいかもしれません。
また教科書や問題集の英文は難易度を易しく調整していることがあります。
原本が教員用付録についている場合があるので,原本でテストを作るのも一つの手です。
また和文英訳や自由英作文も出題するのも手です。
もちろん自由英作文は型がありますので,構成の組み立て方は授業中に教えおきましょう。
学校によって学力層は異なるので,この通りではないかもしれません。
ただ,毎日の授業,課題,小テストなどをベースに,60点分くらいはその集団にとっての基本問題,40点分くらいはその集団にとって難しめの問題になるでしょう。
また,選択肢問題,穴埋め問題,論述問題など解答の方法も平均点を意識して設定していします。
学生の頃はテストのたびに問題用紙を見ていました。
でも自分が作るとなると、最初はできない人が多いんです。
- 解答欄は十分な広さにすること。
- 行間を広めにすること。
初めて教員になった人はPC上で確認するだけでなく,実際に印刷して少し大きめの文字で実際に解答してみることをお勧めします。
特に男子生徒は解答欄の大きさを考えずに大きめの文字で書き始めるので,それを予測して解答欄は広めにしておきます。
行間が狭いと,採点をし丸を書いたときに上下の解答に重なってしまいます。
すると見づらくなるでしょう。
また,解答欄をはみ出した生徒がいたり,万が一誤って解答欄を作り忘れた場合(あってはいけませんが)に対応しやすいです。
あっ,学年,クラス,出席番号,氏名欄を作り忘れてしまうので気を付けたいです。
もっと詳しい作り方はこちらの記事をチェック!
小テストの特徴
ちなみに個人的に単語テストなどの小テストは平均点を意識しません。
小テストは全部覚えてもらいたいことを出題しているので,満点をしっかり狙いましょう。
韓流観るなら<U-NEXT>
英語の定期テストにおける作問のコツのまとめ
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
試験は受験することはあっても作問する経験はあまりないかもしれません。
定期テストは1つ作るのに7~10時間くらいかかりますね。
出題者の考えが分かれば,もしかすると試験前の勉強もやりやすくなるかもしれません。
定期テストとは作り方が違います!
コメント