徹底解説|なんで高校は年度の途中に選択科目変更はできない?!

面談 学校の先生の仕事
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進学校はより大学受験に有利に挑戦できるよう,2年生や3年生で文系・理系や科目を選択します。

中には途中で必要な入試科目が変わったので,年度の途中で選択科目を変えたいという高校生もいます。

隣の芝
隣の芝

自己紹介

  • 非常勤+専任の私立教員歴は約15年!
  • 担任は10年以上経験! 修学旅行の準備・引率、大学受験の指導経験もあり
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  • 校務分掌教務、進路、広報、生活指導、生徒会を経験!
この記事をおススメしたい方
  • 受験を控えて科目選択をしたいけど,なぜか先生にできないと言われた高校生
  • 学校で行われる授業の種類がどう決まっているか知りたい方

結論,年度の途中で選択科目は変えられません

はい。

年度の途中で選択科目は変えられないでしょう。

特にいわゆる進学校は全日制・学年制となっていることが多いですが,この制度の学校ではなおさらです。

全日制や通信制,学年制や単位制などの制度の違いについては下の記事のコラムで触れています。

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もし変えることを許可したら,その生徒は留年しないと卒業できません

高校の教育課程(カリキュラム)は学習指導要領というルールの基に各学校で考えて,教育委員会などに承認をしてもらいます。

卒業証書には「全課程を修了したので,これを証する」といったことが書かれています。

途中で科目を変えたら,ルール通りに履修しないことになるので,進級・卒業できないということになるわけです。

履修って何??

履修(りしゅう)とは、学校(大学などを含む)などにおいて、単位を修得するために特定の科目を学ぶ(授業を受ける)ことである。

フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 履修

大学生になると履修登録(どの授業を受けるか自分で登録する)をするのでイメージがわきやすいかもしれません。

留年
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学習指導要領?教育課程?って何なの??

もう少し詳しく説明していきます。

学習指導要領というものは学校教育はこのルールの下で実施してくださいという国(文部科学省)が定めてたものです。

科目選択にかかわる部分のルールを簡単にいくつかご紹介します。

  • 各学校で卒業するまでに履修させる科目を定めてください。
  • 卒業までの単位数の合計は74単位以上にしてください。(週に1時間で1単位)
  • 1単位あたりの授業時間は50分を標準にしてください。
  • 1年間1単位の授業は35回行うのが標準です。(2単位は70回・・・となります)
  • 設置できる科目は現代の国語,数学Ⅰ,英語コミュニケーションⅠなど学習指導要領の表に載っているものが原則になります。
  • 各科目の単位数も指定します。(現代の国語は2単位ですが,下回ったらダメです)
  • 現代の国語,公共,数学Ⅰ,英語コミュニケーションⅠなどは必ず履修させてください。(卒業の74単位を超えていても必修を学び終えていないなら卒業はダメですよ)

こんなわけで,学習指導要領のルールに則って,何の科目をどの学年で何時間勉強するか学校ごとに決めたものが教育課程です。

時間割と教育課程って何が違うの??

教育課程は1年生で○○の授業が△単位(週に△時間)ありますよという学校共通のルールです。

時間割はそのルールに則って,何曜日の何時間目にどの授業を入れるかを決めた表です。

一人の先生が複数クラスを担当することもあり,クラスごとに時間割表は異なります。

学習指導要領の改訂が10年に1度くらいのペースで行われますが,そのたびに学校の先生は教育課程をどうするか考えるのです。

そして学校で決めたものを教育委員会などに提出して,承認をもらいます。

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学習指導要領に沿っているなら,途中で選択科目を変えるのはダメなの?

ここで学習指導要領って意外と緩いんだと思うかもしれません。

卒業までに74単位なら,月~金に約25時間の授業を受ければ3年間で卒業できます。

月~金まで1日5時間授業を受ければクリアできます。

なぜ多いかというと,学校のサービスですね。

進学校なら進学実績を出すためのサービス。

進学校でなくても,15時半くらいまでは学校が子供を預かっているという保護者へのサービス。

生徒にとってはその分自由な時間が減るので,余計なことを…と思う人もいるかもしれませんが(笑)

ここで,卒業単位や必要な授業時間を確保できるなら,年度の途中で変えてもいいのでは?と思うかもしれません。

しかし,それもできません。

今一度戻って考えると教育課程は教育委員会から承認を得なければ施行することができません。

そして,学年の途中で履修科目を変更できるなんて学校側が教育委員会に申請しても承認はまずされないでしょう。

国側からしたら,「税金を使って勉強する権利・機会を与えているので,そこまでは個々の事情に寄り添うことはできませんね」となるわけです。

そして,承認されたものとは違うルールで教育課程を組んではいけないのです。

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今後は履修主義は変わる?

さて,最近はオンライン授業が進んできたので「果たして,授業に出席することはそんなに重要なの?」という意見も出てきました。

昔の日本はこんなことが良いとされていました。

  • みんなで同じことをやる
  • 努力と根性
  • 長い時間かけてやる

でも国際化が進んで求められるものが変わってきています。

  • 個の強みを生かす
  • 能力主義
  • 短時間で効率よく物事を進める

今の教育制度を作っている人(教育委員会や政治家など決定権を持つ人)は年配の人が多いので,まだまだ昔の日本の良さに引っ張られてしまいがちですね。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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