進学校はより大学受験に有利に挑戦できるよう,2年生や3年生で文系・理系や科目を選択します。
中には途中で必要な入試科目が変わったので,年度の途中で選択科目を変えたいという高校生もいます。
自己紹介
結論,年度の途中で選択科目は変えられません
はい。
年度の途中で選択科目は変えられないでしょう。
特にいわゆる進学校は全日制・学年制となっていることが多いですが,この制度の学校ではなおさらです。
全日制や通信制,学年制や単位制などの制度の違いについては下の記事のコラムで触れています。
もし変えることを許可したら,その生徒は留年しないと卒業できません
高校の教育課程(カリキュラム)は学習指導要領というルールの基に各学校で考えて,教育委員会などに承認をしてもらいます。
卒業証書には「全課程を修了したので,これを証する」といったことが書かれています。
途中で科目を変えたら,ルール通りに履修しないことになるので,進級・卒業できないということになるわけです。
学習指導要領?教育課程?って何なの??
もう少し詳しく説明していきます。
学習指導要領というものは学校教育はこのルールの下で実施してくださいという国(文部科学省)が定めてたものです。
科目選択にかかわる部分のルールを簡単にいくつかご紹介します。
こんなわけで,学習指導要領のルールに則って,何の科目をどの学年で何時間勉強するか学校ごとに決めたものが教育課程です。
学習指導要領の改訂が10年に1度くらいのペースで行われますが,そのたびに学校の先生は教育課程をどうするか考えるのです。
そして学校で決めたものを教育委員会などに提出して,承認をもらいます。
学習指導要領に沿っているなら,途中で選択科目を変えるのはダメなの?
ここで学習指導要領って意外と緩いんだと思うかもしれません。
卒業までに74単位なら,月~金に約25時間の授業を受ければ3年間で卒業できます。
月~金まで1日5時間授業を受ければクリアできます。
なぜ多いかというと,学校のサービスですね。
進学校なら進学実績を出すためのサービス。
進学校でなくても,15時半くらいまでは学校が子供を預かっているという保護者へのサービス。
生徒にとってはその分自由な時間が減るので,余計なことを…と思う人もいるかもしれませんが(笑)
ここで,卒業単位や必要な授業時間を確保できるなら,年度の途中で変えてもいいのでは?と思うかもしれません。
しかし,それもできません。
今一度戻って考えると教育課程は教育委員会から承認を得なければ施行することができません。
そして,学年の途中で履修科目を変更できるなんて学校側が教育委員会に申請しても承認はまずされないでしょう。
国側からしたら,「税金を使って勉強する権利・機会を与えているので,そこまでは個々の事情に寄り添うことはできませんね」となるわけです。
そして,承認されたものとは違うルールで教育課程を組んではいけないのです。
今後は履修主義は変わる?
さて,最近はオンライン授業が進んできたので「果たして,授業に出席することはそんなに重要なの?」という意見も出てきました。
昔の日本はこんなことが良いとされていました。
でも国際化が進んで求められるものが変わってきています。
今の教育制度を作っている人(教育委員会や政治家など決定権を持つ人)は年配の人が多いので,まだまだ昔の日本の良さに引っ張られてしまいがちですね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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