生徒の時は学校の事務職員は何をやっているか全然知りませんでした。
学校の教員をやっていると,事務職員の方がいなければ学校が回らないことがよくわかります。
教員の立場から垣間見た,事務職員の仕事を紹介していきます。
※ 仕事内容は学校によって異なります。
そもそも,事務職員の仕事はどんなものがあるの?
電話対応
高校は会社で言えば,中小企業の規模です。
ゆえに代表番号しか置いていないことがあります。
学校に電話をすると事務室につながります。
要件を聞いて,事務室内の案件なのか,担当教員に回すものなのか判断します。
しかし,よく教員側の部署違いの電話を回されます(笑)
教務部の案件なのに進路指導部に回ってきたり,担任が対応することを教務部に回したり・・・
事務職員は授業をしたり,学校行事の準備をするわけではないので,自校の学校教育のことがわからない人も多いのです。
1週間に数件はあります(笑)

電話を受けるということは「学校の顔」になるので,少しずつでもどんな教育活動をどこがやっているか知ってもらいたいなと教員としては思っています。
教員側もそういった情報を発信する努力をすべきですね。
ちなみに,電話を受けるのは契約社員の方,アルバイトの方のことが多いです。
なかなか,勤務体系上,正職員でない方が積極的に学校を知る機会はあまり多くないだろうとも感じています。
また,事務職員の態度が悪いと言う声もネット上にありました。
確かに,自分が学生時代に事務職員の態度が悪いと感じることがありました。
今も「そんな対応はマズイのでは?!」と思うこともあります。
こういったあたりが原因なんだろうなと想像しています。
教員の出勤状況のチェック
教職員の打刻の確認
届出のない遅刻や早退がないか確認します。
学校の先生は無断遅刻の話はほぼ聞きません。
ただ,稀にこういった間違えがあります。
その教職員の出退勤は正確に管理しなければいけないので,事情を確認して届出を出すように促します。

出張,有給休暇などの届け出の確認
同時に出張,有給休暇の事務手続きを行うのも事務課です。
出張と言うと遠出するようなイメージですが,こういったものも出張扱いになることがあります。
外部での研修はものにより出張扱いにならないと言う話も聞きます。
教員から話を聞いて,運用に沿っているか照らし合わせます。
また交通費がかかるなら,教員からの申請が適切であるか確認をします。
不自然なところがある場合は,申請した教員に確認します。
到着文書の管理
学校には様々な文書が届きます。
契約書,公文書にあたる重要書類から,広告までいろいろです。
重要書類は学校対相手の約束事のような内容になるので,通し番号を振ってファイリングします。
その後,関係する教員に渡します。
重要書類ではない書類,広告・チラシも宛先となる教員名,部署名(教務部,進路指導部など)が記載されているので,そのまま渡します。
調査書,推薦書,在学証明書,学割証などの発行
事務職員は生徒と関わることが少ないですが,数少ない接点として各種証明書の発行があります。
調査書,推薦書の所見欄を記入するのは教員です。
発行は学校が公的に行います。
教員が個人の権限で発行はできません。
そうなると,通し番号をふり,学校印を押し,封緘します。
この辺りの作業をするのが事務職員になります。
在学証明書,学割証などは教員による所見欄の記入はありません。
事務課にて発行します。

学校の会計
学費納入の確認,督促
学費が全員分,期日までに入金されれば問題ないですが,支払いに滞りが生じてしまう家庭もあります。
まずは,全員が入金しているか確認をし,未納の家庭には電話等で連絡を入れます。
教員の給与,手当,出張交通費の支払い
先ほど出張の交通費について触れました。
書類の受付,確認が終わった後は会計の部署が振り込み指示を行います。
また,教員の給与,各種手当などの支払い指示も行います。
業者への支払い
学校もいろいろな業者さんに入ってもらって,成り立っています。
こういったことを担う業者さんに支払いをします。
学校施設の保全・修理の手配,物品の発注
学校は施設がなければ成り立ちません。
バーチャルの世界だけの学校はまだまだ先の未来になります。
施設があると言うことは,さまざまなところで新しい設備を入れ,また修理が必要になります。
ここにあげたのはほんの一例ですね。
こういったものを手配を担当するのも事務職員です。
同じ事務の中で,会計と連携をとりながら,必要な設備の設置,施設や物品の修理を業者さんに依頼します。
全員が正職員なのか?
電話対応のところで書きましたが,全員が正職員の学校は少ないのでは?と思っています。
少なくとも私が知る限り全員が正職員の学校は存じ上げないです。
見ている限り,残業は多いです!
教員と同様,残業は多そうです。
見る限り,誰かしら19時すぎまで残っています。
ただ,教員と違って事務職員は残業代が出ることが多いです。
(もちろん上司の許可が降りればですが…)
この点,教員より待遇が少しだけ良いのかなと思います。
夏休みは仕事がないの?
夏休みも仕事があります。
生徒は7月下旬から8月いっぱいは夏休みになります。
ただ,世の中はお休みではないので,電話対応,到着文書の処理をします。
また,最近は夏期講習を実施する学校もあるので,空調施設,コピー機などに不具合があれば,事務職員が業者とやりとりすることになります。
他にも登校する生徒が少ない時に,安全上できなかった校舎の工事や修繕を進めることもあります。
それでも会社員と同様に夏季休暇があることが多いので,夏休みはみなさんきちんととっているようです。
まとめ
かなり学校の事務職員の仕事が多岐に渡るとご理解いただけたでしょうか。
学校は教員と事務職員の両輪で運用されています。
たまに,教員が事務職員に雑用を押し付けることを目撃しますが,良くないですね。
事務職員と教員はあまり仲が良くない部分もあります。
個人としてではなく,事務職員と教員という集団で見たら,双方に原因があると感じています。
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