いきなり修学旅行の担当になったら何から準備を始めますか。
まずは,前回担当だった先生に進め方を聞いてみるといいでしょう。
しかし,丁寧な引継ぎをしてもらえないことも多いと思います。
修学旅行の準備でまず初めにやることを書いてみました。
自己紹介
旅行社を選ぶ(2〜3年前)
まずは旅行社の選定から始まります。
といってもゼロから探す訳ではなく,よく営業に来ている旅行社,自校を担当したことのある旅行社の中から選びます。
最近は個人旅行で添乗員にずっとついてもらう旅行は少なくなり,旅行社の営業の人や添乗員と話をする機会も減っているでしょう。
それゆえ,旅行社なんてどこも同じと思うかもしれません。
自分自身,国内外へ修学旅行,語学研修で宿泊行事の引率をしたことがありますが,旅行社の考え方,営業の方や添乗員の質はバラバラです。
ここできちんと選んでおかないと後が大変になります。
こんな旅行社の体制や営業の人はマズイ!!
管理職とだけしか話さない人
旅行社は企業なので,まず利益になる仕事を取れるか取れないかが大事です。
これだけを達成するなら,校長や事務方の決定権を持った人にだけ営業活動をかけます。
決まった後はギリギリまで,連絡が疎遠になることもあります。
学校の管理職側は業者の選定後になると面会の回数が減っても気にしません。
校長も現場が見えていないと「現場の教員と準備を進めているだろう」と思い込んでいるからです。
担当教員は,業者が決まった後も不都合があったら管理職に相談した方がいいですね。
こまめに連絡を取れない人
メールの返信が遅い,電話をしても折り返しの電話がないなど,連絡をこまめに取れない人も要注意です。
学校が委託する旅行社は全ての行程を自社で実施する訳ではありません。
旅行社は学校側の意向をくんで,それを実施できる現地の業者を探し,委託していく流れになります。
一番わかりやすい例はバスの手配です。
クラス数だけバス・運転手・ガイドを確保できる業者を探して委託をします。
他にも,
現地の業者・団体が必要な場合は旅行社が探して参加生徒数,教員の参加の有無,怪我やアレルギーなど対応が必要な生徒への配慮事項など連絡のやり取りをします。
良くなかった例として,
などがありました。
情報の整理ができない担当者,連絡をこまめに取れない担当者は後が大変です。
修学旅行の経験がない人だけで動いている体制
修学旅行の下見の記事でも書きましたが,個人旅行と団体旅行は準備にかかる時間と手間が全く異なります。
初日の集合が駅や空港だとすると,集合するためのスペースが必要です。
乗車,搭乗前の待機スペースも必要です。
ホテルでは駐車場やロータリーにバスを同時に何台停められるか,バンケットホールは何人が同時に食事できるのかなどです。
特に小さい駅,空港,ホテルではこのイメージをしっかりしておかないと,最悪の場合,人が入りきらないということになります。
また,(これはホテルや見学地が団体慣れをしているかどうかなのかもしれませんが)食事を取る際のテーブル上でのクラス表示などの手配も必要です。
正直なところハズレは多いという印象
個人的な感覚では3回に1回くらいはよいチームワークを築けておえられることがありますが,残念ながら半分以上は何らかのトラブルがあります。
同じ旅行社の中でも,営業担当が配置換え等があり,良くなったり悪くなったりしています。
もしかしたら,会社によって初めての人を育てていく風土や制度があるところと,新人でも丸投げな人がいるのかもしれません。
旅行社と行き先・内容の相談(2年前)
旅行社が決まりましたら,いよいよ場所と内容を細かく打ち合わせて行きます。
実際には旅行社に見積もりを依頼する時点で場所と主な活動を伝えます。
国内なら都道府県・地域を伝えます。海外なら都市名でしょうか。
修学旅行の行先については,こんな記事も書いています。
加えてメインとなる見学や体験活動の希望も伝えます。
それを踏まえて,できる・できない,費用と付加価値の内容を比べてどこに委託するか決めます。
旅行社が決まった後,下見を実施する学校ではそれまでに,宿泊するホテル,見学地の候補を打ち合わせをしておきます。
下見では本隊で見学をする可能性のあるものを周って行きますので,実際の修学旅行で周るところ+αの見学地となります。
下見の実施,料金の説明,参加同意書の回収(1年前)
下見についは下の記事で詳しく書いたのでこちらをご覧ください。
本隊が動いた時に支障がないか,机の上でイメージした通りに動けるかがポイントです。
料金の説明も1年半くらいまでには済ませて,参加の同意書をもらっておきたいですね。
下見をした中での具体的な行程の確定(6ヶ月前)
その後に,具体的な内容の相談になります。
- 初日の集合時刻
- 和洋中などバランスのよい食事の確認やアレルギー対応
- 最終日に飛行機や新幹線までに少し時間が余った場合に立ち寄る見学地 など
コロナ禍では,パーティションの有無なども確認したいところですね。
このタイミングでの打ち合わせでかなり細かいことが出てきます。
いろいろなことが決まっていく時期(出発の1〜2ヶ月前)はほぼ毎日メールすることもあるかもしれません。
あとは生徒向けに学年集会などで教員や旅行社の人が行程や注意事項の説明になります。
教員向けには下見に行っていない人,企画段階では携わっていない人に流れを説明したり,いつ,どこで,誰が(教員or旅行社orバスガイドさん,など)どんな伝達を生徒にするかを確認して行きます。
まとめ
このように修学旅行の準備は2年くらい前から本格的に動いて行きます。
高校2年生に修学旅行に行く学校では入学前から準備が始まっていることになりますね。
教員が当日に必要な持ち物等は下の記事で紹介しました。
こちらもぜひご覧ください。
中高生のみなさんにとっては意外でしたでしょうか?!
どうしても家族旅行の経験と比べてしまうので,団体旅行は自由が制限されてちょっと満足感に欠けると感じる人もいるかもしれません。
個人旅行と団体旅行の違いについては,下の記事も読んでもらえると嬉しいです。
また,教育実習生もこんなことは大学で勉強しませんよね。。。
参考になればと思います。
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