公立の学校はホームページがシンプルな作りになっています。
私立高校では募集のこともあるので,デザインも工夫しています。
学校の教員としてホームページの管理を担当した経験をシェアしてみます!
自己紹介
学校のホームページ作成の手順① そもそもホームページは誰に向けて作る?
会社のホームページはお客さんが利用するためというケースが多いと思います。
(ランディングページや,そもそもB to Bの会社は直接的にホームページで売買することがないかもしれません。)
学校のホームページはどうでしょうか?
もちろん受験生などからのアクセスが一番多いと思います。
一方で,在校生のことも大切にした構成にすると,よりよい学校生活の一助になるのではないでしょうか?
そんなことを考えながら,利用頻度の高い順に並べていきます。
受験生・保護者・塾・中学校
私立学校におけるホームページは受験対策が主になりますね。
初めて見た方が必要な情報をゲットしやすいデザイン,構成がいいかもしれません。
受験生,保護者は学校の雰囲気,学校説明会,募集要項などをチェックしたいと思うでしょう。
塾の先生もホームページをチェックします。
最近は小・中学生の受験指導は塾がイニシアティブをとります。
塾が学校の紹介をすることもあり,受験生・保護者が実際に合うか合わないか説明会などで話を聞いてきます。
気に入ったら,塾が受験生・保護者に「学校の先生に○○という書類を作ってもらってください」「出願は○○にアクセスしてもらって・・・」と説明します。
このように中学受験,高校受験は塾にも大きな協力をしてもらって成り立っています。
だから,塾の先生が受験生・保護者に情報を示しやすい工夫があってもいいかもしれません。
もちろん「塾の先生へ」という露骨な表現は,通塾をしていないと受験ができないみたいに見えてしまうので使えませんが・・・。
実際の受験となると,小・中学校から調査書,推薦書などの書類を直接または受験生経由で提出してもらうことになります。
ということは,小・中学校の先生にとっても利用しやすい構成が大切になります。
在校生・保護者
ホームページは在校生・保護者にとっても大切な情報発信の機会になります。
ただ,最近はGoogle ClassroomやClassiなどの校内SNSを導入している学校も多いです。
校内だけに流したい情報はそういったツールを使うといいでしょう。
一方,学校行事,教育内容,部活動の活躍などのブログ記事は学校のホームページに載せたほうがいいです。
こういった記事は在校生・保護者に加えて,受験生もどんな学校なのかを知る機会になります。
また,校内SNSを使うと,通知だらけになるので適切ではないですね。
卒業生
私立学校は先生が変わらないので,卒業生が遊びに来るということもあります。
「自分が所属していた部は最近どんな活動をしているのかな?」
「就職したし今度遊びにいこうと思うけど,最近はどんな様子なのかな?」
と思ったときに情報が載っているといいかもしれません。
また,同窓会のホームページが別にあるといいでしょう。
同窓会は学校の運営とは別の団体になるので,学校のホームページを使うことは難しいと思われます。
それでも,リンクを貼るなどして,卒業生同士の交流ができる一助になるといいですね。
近隣住民
もしかしたら,文化祭があるから子供を連れて行ってみようかなと思うかもしれません。
そんな情報が載っているといいですね。
学校のホームページ作成の手順② 制作・運用会社との付き合い方の注意点!
一度作ったらずーっと使えない?!
学校の教員をやっていると,一度ホームページを作ったら,10年以上使えると思っていました。
実は一説によると5年を超えたらリニューアルを考え出すのが良いらしいです。
デザインは流行り廃りがあります。
私立学校の場合はやっぱり見栄えも大事なので特にこのサイクルを意識したいですね。
また,ずーっと同じ業者を使っていると,最初は頑張ってくれましたが,年を追うごとに仕事が雑になるということも・・・。
とはいえ,校長など学校のおサイフを握っている方はこういったデジタルの話題にはうとかったりします。
広報を担当する方は執行部への説得も必要かもしれません。
制作と運用をマルっと頼める会社がいい!
他の学校の事例で,制作をした会社,今ホームページを管理している会社,ホームページのサーバーをバラバラに契約している話を聞きました。
個別に契約することで中間マージンがないので,安く済むこともあるそうです。
ただ,トラブルが起きた時になかなか解決しなかったようです。
まずトラブルや修正を依頼するときに最初に今管理している会社に連絡をします。
すると,実は問題はサーバー側にあり,学校がサーバー側に連絡をしなければいけないということが起こりえます。
個別に契約している場合,ホームページの管理会社がサーバーの会社と連携してくれないかもしれません。
校内に詳しい人がいれば別ですが,先生はウェブの素人であることがほとんど。
伝言ゲームの繰り返しで,一向にことが進まないということになってしまいます。
ホームページで困ったら「○○さん(営業の方)に相談する!」と一本化しておいた方がいいでしょう。
営業の人が丁寧な仕事をしてくれるかチェックしよう!
さて,新しくホームページを作るとなって,いくつか制作会社の方とお会いすると思います。
いろいろな方とお会いする中で,まず仕事が丁寧かをチェックしたいです。
更新の迅速さ,サーバー管理の管理は円滑な運営につながるので優先度高めです!
また,教員は授業,担任などと兼任しながらウェブ担当になります。
だから,欲を言うと毎年の修正ならこちらが連絡をしなくても,「そろそろ○○の時期ですよね?」と連絡をくれるマメさがあると助かります。
そんな,業者さんに会えたらラッキーですね!
中には最低限のことができずに困った例もあります。
ちなみにキャッシュが残っている問題は,ファイル名を変えれば解決できます。
Googleで検索すればわりと初心者でも解決策が分かります。
正直,初対面で全部を見抜くのは難しいです。
最低限,連絡がマメかどうか,こちらで依頼した修正はいつ反映できるか,こちらの悩みを伝えて何か提案してくれるか,などを確認できることは聞いておきましょう。
■お名前.com
最初に打ち合わせをする時は学校のことをきちんと伝えましょう!
営業の方には学校が抱えている課題,今の学校の姿を伝えます。
その上で,課題の解消をしたり,今の姿を正しく見せたりするのに,ホームページがどんなことをできるかというアプローチをしてもらいます。
最初に受験生には見栄えが大事と伝えましたが,単に雰囲気が良ければいいというものでもありません。
例えば,女子校はピンク色や薄くて柔らかい色を基調とすることが多いです。
ただ,伝統や重厚感を重んじる学校なら,赤系でもワインレッドのような色を使うかもしれません。
リンクの設置場所や,全体の設計(サイトマップ)も優先順位や見せたい順番によって変わります。
学校が抱えている課題,今の学校の姿を伝えたうえで,どんな提案がされるかを聴いていきたいですね。
学校のことは何度も説明しないとダメ
できれば,営業さんが主体的に学校のことを知ろうとしてくれるとありがたいです。
ただ,そんなことはあまりありません。
営業さんも複数の学校を抱えてるので,一つ一つの学校の特徴を覚えていられないでしょう。
だから,学校の特徴やホームページ運営のポリシーは何度も伝えるといいでしょう。
とは言っても,なかなか来校してもらったり連絡を取る機会は限られてくるので難しいとは思いますが・・・
デザインや専門的なことはニュアンスで分かってくれない?!
色味,デザインは具体的な指示を出さなくてもしっくりくるものを提案してくれる会社がいいですね。
具体的に色味のRGBを指定したり,文字のフォントを指定したり,一つ一つ写真を指定していなくても,雰囲気が分かり合える,波長の合う営業さんだといいですね。
学校のホームページ作成の手順のまとめ
ホームページの制作と運用について,学校の教員側の目線で書いてみました。
これから担当になる方の参考になると嬉しいです!
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